ケイの読書日記

個人が書く書評

中島たい子「漢方小説」

2008-01-24 09:53:40 | Weblog
 以前、新聞の書評欄に紹介されていて、面白そうだったので読んでみる。
 一応、小説だが、作者が自分の身に降りかかった事を題材に書いている。


 みのり(作者がモデル)は30台前半のシナリオライター。自称ではなく、大きな賞ももらっているし、そこそこ売れているライターなのだ。

 昔の男が結婚する、と聞いてから、どうも体調が良くない。あちらこちらの医者にかかるが、なかなか良くならない。
 高校のとき、喘息を治すため漢方医にかかった事を思い出し、5人目の医者は漢方医にする。漢方が身体に合うのか、めきめき丈夫になり、久しぶりに飲み会に参加する。
 そこで、自分の友達もほどんどが具合が悪い事に気づく。
 皆、キャリアウーマンとして頑張って働いているのに、ストレスからか、半病人ばかりなのだ。中には病気で仕事をやめてしまった人もいる。

 皆、みのりが健康を取り戻した事を喜んでくれるが、漢方薬については胡散臭く感じている。  ざっと、こんなストーリー。


 作者は、高名な文芸評論家が「30女のぐだぐだを読むのはもうたくさん」と批評していたのを、とても怒っていたが、男の立場からすれば、そうかも。
 女の私は、思い当たる事が多々あったので、とても興味深く読めた。

 しかし、シナリオライター・デザイン事務所勤務・大学事務職員etcといった普通のOLではない働く女性達が、こんなに体調を崩している、という現実には考えさせられる。
 いきいき仕事をしている人は、ほんの一部なんだろうか?

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