本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

地方公務員の給与

2013-01-26 09:39:30 | Weblog
 政府の地方公務員給与削減の方針に対し、全国の知事は反対のようだ。理由の一つに、国に先んじて人員、給与を削減してきたという。
 
 毎年、総理府は地方公務員の給与実態調査を公表している。これによると、平成23年度のラスパイレス指数(国家公務員の給与水準を基本指数100とする地方公務員の給与水準の指数)が100を上回る県は21県とある。
 これでも全国知事会が足並みをそろえて反対しているのだろうか。

 市や町でも100を超えているところが多々ある。そんな市の一つに転居して感じるのは、官民給与格差が相当あることだ。
 なにしろ大企業も優良企業も少ない。電力会社やNTTの営業所、それに金融機関程度で、ほとんどは中小企業か零細企業だろう。その上、デフレ化で民間給与水準は落ち込んでいるはずだ。

 まさに地方都市は給与面で役人天国だろう。勤労所得の向上は望ましいが、今のご時勢では地方公務員だけが突出するわけにはいかないと思うのだ。

桜餅

2013-01-25 09:29:13 | Weblog
 永井荷風の日記に「砂糖少なき世には滅多に得がたき珍羞といふべし」とあるそうだ。
 昭和16年(1941年)9月の日記だから日中戦争さ中で、また太平洋戦争直前である。物不足の折、砂糖は貴重だったのだろう。

 それはともかく「珍羞」とは知らない語彙だ。調べてみると「珍しい食べ物」の意とか。漢和辞典の「羞」には①すすめる、②おいしい食べ物、③はじる、と三つの字義が載っている。普段知り得ているのは、恥ずかしいという意味の羞恥ぐらいだ。
「羞」の部首が羊偏だから、ヒツジは食い物の供物になる。なるほど食べ物に縁がある。

 荷風が「珍羞」としたものは、長命寺の桜餅のことである。
 昨日、寺社巡りに触れたが、その機会に小生も長命寺門前で名物の桜餅を喰ったものだ。砂糖は有り余る時代だが、向島に行かなければこの桜餅は得がたきといふべしだ。

都内巡り

2013-01-24 09:48:30 | Weblog
 東京に何十年も住んでいながら、知らない区がたくさんあった。たとえば荒川区、江戸川区、葛飾区、墨田区、足立区、北区など。
 交通機関で通ることはあっても、意識して歩いたことはない。概して下町になるが、練馬区も板橋区も世田谷区もこれといってそぞろ歩きしたことはない。

 そこで、ヒマになったある時、思い立って探訪することにした。ぶらぶら歩いてもしょうがないので、神社仏閣巡りを目的にした。もう一つ、歩くという健康法も兼ねてだ。

 ガイドブックを片手に、全23区を何度も歩きまわった。立ち寄った神社仏閣は二百を超えたのではないか。しばらくは、寺名や神社名のわかる門の看板や史跡立札などを写真に撮り、アルバムに貼っていたのだが、数が増えてきて手に負えなくなった。それで写真撮りは頓挫した。

 文豪などの著名人の墓、名だたる俳人の石碑、素朴な本堂等々、いやぁ、いい経験をしました。

鉢巻き

2013-01-23 09:48:43 | Weblog
 本を読むと豆知識が得られる。もっとも、その知識は加齢につれ記憶装置から跡形もなく失せるけれど。以下も本からの請け売り。

 鉢巻きの結び方のことだが、向こう鉢巻きは祝いごとや仕事上の場合に用いるとある。なるほど、神輿を担ぐ若者や魚屋のおっさんはひたいの上に結び目がくる。

 うしろ鉢巻きは神事や死に関係するらしい。三島由紀夫や特攻隊のうしろ鉢巻きは神頼みか死の覚悟か。「気合だ!」のオヤジさんは神様に喝をいれているのかな。

 小学校の運動会の赤鉢巻き、白鉢巻きは、向こう鉢巻きのほうがよいのではないか。いや、今は帽子で色分けするか。

めでたい

2013-01-22 09:55:28 | Weblog
 目出度いという正月も3週間過ぎた。
 この「目出度い」とは、祝う価値があることと辞書にある。ほかにも「あいつはめでたい奴だ」のように、お人好しや騙されやすいという意味もある。

 ところが、古語の「めでたし」は、美しい、りっぱである、すぐれている、みごとだと辞書にある。確かに、枕草子の「めでたきもの」は、お祝い品でもお人好しを指すことでもない。「めで」は愛でるが語源でしょうね。

 ついでに、枕草子から例のものづくし語を拾うと「すさまじきもの(興ざめするもの)」、「にくきもの(嫌なもの)」、「ありがたきもの(めったにないもの)」、「ねたきもの(しゃくなもの)」、「うつくしきもの(かわいらしいもの)」、「心もとなきもの(待ち遠しいもの)」、「はしたなきもの(間がわるいもの)」等々、
 かっこにある現代語の意味はずいぶん変わったものですな。