本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

開発費の水増し

2013-01-20 11:04:51 | Weblog
 行政機関から受注した開発の人件費の水増し問題が明るみに出て、メーカーは返還に応じているという。当たり前だ。これで、指名入札リストに復活させるという官公庁も甘い。

 不正は作業時間を過大にふくらませたことのようだが、契約はどうなっているのだろう。
 研究開発などは精緻に見積もれないだろうが、受注者から提出される受注仕様書の見積り工数をある程度査定して、それを上限金額として合意した場合に契約するのではないか。

 請負契約の場合は、請負金額と実費用に差異があっても問題ない。費用が超過すれば受注者の損だが、下回れば利益幅が大きくなるだけだ。もちろん、仕様どおりに完成することが前提である。
 しかし、先に述べたように研究開発的な委託金額は概算しか見積もれない。それで、契約に定める金額と実績額のいずれか低い額を最終額として決定するものではないか。だから、受注者はいくら水増ししても契約額以上のカネはもられない。

 以前、その契約方式で発注したソフト開発を検査したことがある。契約額に上限があるから検査は形式的なものだった。
 それでも、開発従事者の作業日報を一人ひとりチェックすると不思議なことがある。
前日に夜10時まで東京で作業をしていて、翌朝6時から御殿場で作業をしていた。「お宅にはヘリコプターでもあるの?」と皮肉を言ったものだ。

 要するに日報はいい加減なのだ。既存のモジュールを組み合わせるので、実は工数はかかっていないのではないか。それで鉛筆を舐めてミスをすると思ったものだ。ただし、日報を修正させて放免した。
 契約額でさえ利益の旨みが大きいということだ。