褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 パトリオット(2000) アメリカ独立戦争が舞台背景です

2015年09月21日 | 映画(は行)
 いきなり冒頭からメル・ギブソン演じる主人公のナレーションが始る『私は恐れてきた、耐えられないほどの罪の報いを受けることを』。この台詞を聞いた俺は、過去の過ちを悔いるとは、なかかなか殊勝な奴だと思っていたのだが、途中からはそんな台詞を言ったこともすっかり忘れてしまったのか、手斧を持って次々に人を殺しまくる。返り血を浴びて鬼神の如く手斧を振り下ろす様子はけっこうなドン引きだ。ちなみにタイトル名のパトリオットとは愛国心のこと。アメリカ独立戦争を描いた歴史映画においては非常に相応しいタイトルだ。

 しかしながら俺には本作を観ていて、アメリカの愛国心を大して感じることができなかった。それは一体何故なのか?主演のメル・ギブソンは元々はオーストラリアで活躍していた俳優だし、彼の息子役のヒース・レジャーはオーストラリア生まれのオーストラリア人。監督のローランド・エメリッヒにしてもドイツ生まれのドイツ人。はっきり言って、アメリカから言えば外国育ちのこの3人が、アメリカという国に対して本当に愛国心があるのか?俺には観ている最中にそのような先入観がどうしても抜け出せなかった。
 本作はアメリカ独立戦争を描いた映画ではあるが、むしろメル・ギブソンを父親とする家族を描いたドラマと言った方が当てはまるような気がする。

 さて、よ~く考えてみればアメリカの歴史映画において独立戦争を描いたドラマは非常に少ないと思ったのだが、それは何故か?そんな疑問が少々わかった気分になれるストーリー紹介を。
 1776年のイギリス植民地時代のアメリカ、サウスキャロライナにおいて。かつてはフレンチ・インディアン戦争の英雄として名を馳せたベンジャミン(メル・ギブソン)だったが、妻には先立たれ、7人の子供達と一緒に農夫として暮らしている。
 イギリス本国の植民地アメリカに対する重税政策はアメリカの13州の反発を呼び、今やサウスキャロライナの議会でもイギリスに対して、戦争を挑むか否かの決断が迫られていた。戦争を経験して己の過去を悔いているベンジャミンはイギリスとの開戦には反対していたのだが、息子のガブリエル(ヒース・レジャー)は、そんな父親に反発しアメリカ大陸軍に入隊する。
 そんなある日のこと、戦火はベンジャミンの家のすぐ近くまで迫ってきていた時に、ガブリエルが負傷して帰ってくる。そこへイギリス軍のダビントン大佐(ジェイソン・アイザックス)一行が現われ、ガブリエルをスパイ容疑で連れ去ろうとし、それを止めようとした弟のトーマスが撃ち殺されてしまう。
 目の前で息子が殺され、家を焼き討ちされたベンジャミンは怒りから、かつての戦闘本能が呼び起され、三男、四男坊を連れて、イギリス軍の一行に奇襲攻撃を喰らわせて、ガブリエルを救出。このままではイギリスの横暴が続いてしまうことを悟ったベンジャミンは荒れくれ男達等をを集めて民兵団を結成し、イギリス帝国軍団に戦いを挑むのだ・・・

 ただ今の日本は安保法制に大揺れ、なんだかまだまだこの余波続きそうだ。しかし、本作のメル・ギブソン演じるお父さんが復讐鬼となってイギリス軍に立ち向かって行く姿は、安保法制に反対する人でも彼の行動を責めることは出来ないはずだ。そもそも目の前で我が息子を殺されて、立ち上がらない奴なんか親父としてだけでなく男として失格。真の平和を掴み取るには戦うことが必要だ、なんて俺が言うまでもなく歴史が証明している。
そして実はこの映画はチョットばかしアメリカの成り立ちがわかったりする。例えばメル・ギブソンとヒース・レジャーが見つめるアメリカ大陸軍と圧倒的多数をほこるイギリス軍の戦闘シーンだが、お互いに隊列を崩さず整列し、真正面から前進しあって、号令をかけて撃ち合うシーンがあるが、確かに正々堂々としたイギリスの騎士道精神を感じさせる。
 しかし、こんな戦い方では圧倒的な人数をほこるイギリス軍が勝つのは当たり前だと俺にでもわかる。そこでメル・ギブソン率いる民兵軍の戦い方は奇襲攻撃を仕掛けるゲリラ戦。しかも階級社会のイギリス人には考えも及ばなかったのが、いきなり軍隊を指揮する将校を狙ってくる戦い方。そこで俺が理解しかねるのが、なぜかあの日本の真珠湾攻撃が奇襲攻撃だとしてアメリカから卑怯だと非難されること。俺はアメリカこそ自分たちが言う卑怯な奇襲攻撃の連続で誕生した国であり、そんなトラウマがハリウッドでは独立戦争を背景にした映画が南北戦争に比べて極めて少ない理由だと思っているのだが、真相はいかに?
 そしてアメリカ人の国旗に対する想いの熱さが凄い。メル・ギブソンが戦闘中に国旗を持ちながら敵陣に突っ込んでいったり、もはやコレまでか!?と思わせながら国旗を見て急にエネルギーを取り戻したりするところは、日の丸を国旗に抱く日本人が見てもこれは熱い。

 他にも何だかそんなシーンいる?なんて思えたり、イギリスの軍人をとことん悪人に描いたり、そんな安心な場所があるなら最初から行け!なんて思えたり、やたら勇ましい音楽を流したりで、ツッコミどころも満載。しかしながら、必要以上に熱さを煽る演出はローランド・エメリッヒの特徴がよく表われている。
 戦争アクションが好きな人、アメリカの独立戦争に興味がある人、熱いお父さんが活躍する映画を見たい人等などに映画パトリオットはお勧めだ

パトリオット ― コレクターズ・エディション [DVD]
メル・ギブソン,ヒース・レジャー,ジョエリー・リチャードソン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


パトリオット エクステンデッド・エディション [Blu-ray]
メル・ギブソン,ヒース・レジャー,ジョエリー・リチャードソン
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント


 監督はローランド・エメリッヒ。SFアクション映画を主に撮る娯楽志向の監督。この人を有名にしたのはウィル・スミス主演のインデペンデンス・デイ、ツッコミどころ満載の世界終末を描いた2012がお勧めです。

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