「いのち」も形を変えて連なって行くのでしょう。

朝からどんよりとした雲が重たげに広がっていました。
うっとうしい気分でいたのですが、トイレや洗面所をいつもより念入りに掃除をしましたら、
何だか、さっぱりした気分になりました。
でも午後３時を回った頃から雲が切れ、日差しも差し込むようになったのです。
今年は柿も実を付けず、葉っぱばかり大きく異常なほどに大きかったのですが、このニ三日
で、かなり　その葉を落としました。
昨年の日記（３年間記入のものを使用しています）を見ましたら、この時期に葉を落として
いますから、確実に季節は廻っている様です。
季節が回れば、「いのち」も形を変えて連なって行くのでしょう。

孫たちが、何かと私に気を使ってくれています。
肺ガン検診で「第一期の肺腺癌、放置すれば余命は１年～１年半」との告知でしたから、本
人の私も「ビックリ」でした。
ただ、このところの体調は至って良好。
美術館や映画にも足を運び、図書館への路線バスも復旧しましたので、そちらへも・・・と
けっこう年の割にはタフに過ごしていましたので、何だか自分のことの様に思えないところ
もあるのです。
木曜日には、夫も同伴で病院を訪れ、今後の「在り方」を決めてくるつもりです。
気を使ってくれる孫たちには心の中で「ありがとう」と言っています。

「落選原稿」へ、メタボ的に執着して連日アップしてはいますが、過去のことにこだわって
いる次期でもあるまい、と考え直しています。
でも暫くは、ピックアップして載せることに。


【　『落選原稿』・・・メタボ的愛着・・・その１９　】

【ナンセンス「モモタロウ」】
　　　　　　　　　　　　　　　　（２０１５・６・３０　記）
バカバカしいお話、ナンセンスなお話が昔から大好きです。
だから、名作や名言の一部を「迷作・迷言」に替えて、独り　ほくそ笑んでいたりして
います。
なにしろ、お金は一銭もかかりません。
書きとめることもしないので、場所も選びません。
アタマの中をコロコロ転がすだけですから。
電車の中、バス、食事中、トイレの中、ＯＫ。

たとえばナンセンスな「モモタロウ」。
　《・・・前段略・・・
　モモタロウは、野を越え、山越え、谷越えて、鬼が島に、やってきました。
　‘あけろ、あけろ、俺は、モモタロウだ’と、
　大きな声で、叫びました。
　オニは門を開けるやいなや、モモタロウ達に立ち向かってきました。
　金棒だけではなく、自動小銃も構えて、撃ちかかってきました。

　サルは、すぐに降参。
　オニの側についてしまい、モモタロウに打ちかかってきました。
　イヌは、一目散に門の外へ走り去って、敵前逃亡。

　キジは、空を、ゆっくり飛んで、戦いの様子を眺めていました。
　そして、オニどもが、勝ドキと共に城の中に引き上げてしまうと、倒れたモモ太郎の
　腰に残されていたキビ団子を口にくわえ、悠々と山に帰ってしまいました。

　イヌは、村へ戻り、「戯作・鬼が島戦記」を書いて、犬版芥川賞を取り、マスコミに　
　もてはやされましたが、２作目が書けず、ワン出版社から契約を打ち切られ、元のノ
　ラ犬となりました。

　キジは、きびだんごを食べすぎて喉を詰まらせ、死んでしまいました。
　鬼が島に残ったサルが、どうなったかは、だれも知りません。
　鬼が島のなかのことは、島の外には漏れてこないのです。

　おじいさんは、元の様に、シバ刈りに精を出しました。
　おばあさんも、元の様に、洗濯に精をだしました。
　でも、おばあさんは、モモが流れてきても、決して拾いませんでした》

こんな、でたらめで、ナンセンスな「お話」の類を聞いて育った我が家の娘・息子たち
でしたが、けっこう真面目に育ちました。
長男は、先だって、５２歳の誕生日を迎え、
『我が家で、いちばん常識的』を自負しています。
“ばーか、おもしろくねぇ男”
と、私は、心の中でバカにしています。
長女は歳上ですが、やや母親似。

世の中、反面教師ということ、大いに「有り」なんですよ。
ホント。

その後の、「モモタロウ」異聞です。
《おじいさんは、車イスになったので、もうシバ刈りへは行けませんでした。
　おばあさんは、洗濯機を買ったので、川へは行かなくなりました。
　買って来たモモは、二つに切って、二人で仲良く食べました。
　めでたし　めでたし。》

　　　　※　この原稿は、昨年、あるところへ応募した『落選原稿』です。
　　　　　　１ピースずつアップしています。