10月2日㈬、12時半から議員団会議、15時から予算特別委員会の全体会に出席した。
夕方は久しぶりに綾部に戻り、夜は事務所で書類整理とブログ書きなど。21時には涼子を迎えに福知山へ。
■石破内閣が発足
昨日、自民党の石破茂総裁が第102代内閣総理大臣に就任され、組閣・党役員人事が行われた。
閣僚や党役員の顔ぶれに派手さはないが、世界戦争の予兆もある今、総選挙の最中でも国政を疎かにできないということを考えると、安定と仕事ができる大臣、党役員を配置し、手堅くスタートしたのではないかと考えている。
■石破総理「地方創生交付金の倍増」
石破総理の所信表明演説の中で「地方創生交付金の倍増」という文言が入るという報道があった。
※参考:NHK「石破首相 所信表明演説で地方創生交付金 倍増目指す方針で調整」
過疎化の進む山陰地方、鳥取県選出で、田中角栄元総理の愛弟子である石破総理は地方の河川・道路・鉄道や農林水産業等のインフラ整備予算を倍増させれば、裏切らない地方の厚い支持が得られることがよく分かっておられると思うので、「地方創生交付金倍増」だけでなく、「地方のインフラ整備予算倍増」を進めていただきたい。
アベノミクスは株価を上げたが、その経済効果は地方には波及しなかった。都市部の富裕層や大企業に恩恵を与えたが、若者や地方住民の懐は温もらなかった。
今回の自民党総裁選で1位を争った石破氏と安倍元総理の「後継者」を自称し、アベノミクスを礼賛する高市氏の得票分布を見ると、それが顕著に表れている。アベノミクスで潤った地域とそれが及ばなかった地域に分かれている。
赤色が石破氏が1位をとった都道府県、紫色が高市氏で、これを見ると「太平洋ベルト」地帯の都市部は高市氏、それ以外の地方部が石破氏と、くっきりと分かれていることが分かる。
全国の党員・党友票でわずかに高市氏が上回ったのは、都市部は人口が多いため。衆議院の小選挙区選挙では地方に強い石破氏の方が「議席数が稼げる」のだと思う。
■地方VS都市だった自民党総裁選
都市部は立憲民主党、日本維新の会もそこそこ強い。それらの政党は都市の浮動票を票田にしている。おのずと野党は都市住民の利益を増やす政策にシフトする。
高市総裁になっていれば、自民党も都市住民への利益供与政策を掲げ、野党との違いが鮮明にならなかっただろう。
積極財政派の方々からは、そのお金を使って地方の道路や農林水産業に投資するという言葉は出てこない。原発新増設、成長産業投資、IR(カジノ)、防衛産業などは叫ばれるが、それでは地方と都市の格差は広がるだけ(広がってきた)。
今回の総裁選でも、これだけ「米不足」「異常気象」「災害」など農林水産業に関連することが多いのに、そういった論戦がほとんどなかったのは残念に感じた。
今回の自民党総裁選は石破(鳥取)、菅(神奈川だが秋田出身)、森山(鹿児島)、二階(和歌山)と高市(奈良)、麻生(福岡)、萩生田(東京)が地方VS都市で決選投票を争った闘いだったのだと感じている。
京都府連でも高市氏が1位だったが、人口の多い京都市と南部は高市氏、石破氏は人口の少ない北中部でそこそこ票を獲得したのだろうと思う。
私は、石破総理には「地方重視」の政策を進めてもらえると信じて応援したので「地方創生交付金の倍増」というニュースがまず出てきたことには心強く感じた。
株価の下落は相場師が儲け所を作っているだけなので、一時的なものだろう。
■自民党が勝って、地方に希望を!
石破総理が総裁選での主張を変えて解散総選挙を早めたことが批判されているが、これは菅副総裁、森山幹事長からの進言によるものだろう。菅副総裁は最初からその考えだったので、その全面支援を受けた小泉氏も「早期解散」を訴えていたのだろう。
石破総理は党内をまとめるために自説を封印し、菅副総裁や森山幹事長の意見に耳を傾けるしかなかったのだと思う。
今の自民党内の政局では石破総理が「小異を捨てて大同につく」のはやむを得ない。
総選挙を1カ月延ばすかどうかは、国民にとって、さほど大きな問題ではない。
立憲民主党の野田党首は「石破総理は逃げた」と言っているが、予算委員会よりも選挙で論戦する方が注目度も高いと思う。
むしろ、早く総選挙をやってもらって、「地方重視」の自民党と「都市重視」の立憲民主党の戦いに自民党が勝ち、国の政策が「地方経済と農林水産業の振興」「地方の人口減少阻止」「東京一極集中の打破」にシフトすれば、地方にも少しは希望が生まれてくるものと期待する。