「四方源太郎」という名前。祖父の名前をそのままもらって付けられたので、同世代にはほとんど同じ名前の人がない。
挨拶回りをしていると、名前にまつわって、いろんなことがある。
「四方源太郎さんって、これやないんか?」と、玄関の書棚から本を出して来られた方があった。祖父の追悼集だった。「うちの親父が買っていたんや。親父も名前が源太郎やったから…」とおっしゃった。
「四方源太郎さんの関係の方ですか?」とわざわざ尋ねに出て来て下さったおばあさんもあった。「信用金庫に勤めさせていただいていて、お祖父さんにお世話になったんです」と懐かしがっておられた。
「わしは学生の頃に、あんたのお祖父さんの選挙運動を手伝ったんやで。山家から歩いて街宣活動をしたんや」とおっしゃる方もあった。
今日は「わたしの兄も『源太郎』なんです」とおっしゃるおばあさんがおられた。
名前が古めかしいため、挨拶に行っても、パッと分かってもらえないこともある。「四方源太郎さんって、どなたですい?」と聞かれて、「私です」と言って驚かれることもある。
山田知事のところに挨拶に行った時、帰り際に「子どもさんは元気ですか?」と聞かれて、「はい!」と答えると、「小源太くんでしたか?」と名前を覚えて下さっていた。どこで覚えていただいたのかは分からないが、名前と言うのは、距離や時代を超えて走っていくものなんだなあとつくづく感じている。
初めてお出会いするのに、「時々、ブログを見ています」と言っていただく方もある。そういう時は大変うれしい。