山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

弥彦山 2013-11 晩秋7景

2013-11-27 | 弥彦山の足跡 11・12月
新潟は雨の多い季節になり
何も降っていない時を狙って
弥彦山へ。
山頂までの幸運は
あふれる光でクライマックスに。

何かが舞い降りてくる?

海も風にあおられて
金色の波が水面に風紋となり
港に押し寄せていました。

双耳峰の多宝山は
吹き付ける風で
秋色の山肌を隠す
雲を襟巻きにして
じっとたたずんでいました。

遠くを見れは何事もないように
濁った鉛のような海なのに
足元では
冬の訪れを感じさせる白い波が
ふもとまで色づいた森と
バトルしていました。

幸運にも
傘の世話にならなかったのは
ここまでです。
濃密な湿度の中で
一瞬・日が差して
雨に濡れた黄色い葉が
輝きを増しました。

温度が高ければ
熱帯の雨季と勘違いする
森を潤す雨によって
機械の眼をしたカメラさえも
動作不能の極限です。
人通りのない登山道で
この沢はいつもと違う光景を
見せてくれました。
色づいた木々は
次第に姿を変え
冬の支度の真っ最中ですが
3合目付近のもみじは
緑の葉と黄色になりかけの葉が
重なり合い
新緑のような錯覚に落ちました。

まもなく来る
白い季節の前に
まぶたに残る山のうつろいでした。

end