民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

「大嘗祭の本義」再考ー6

2019-07-18 09:00:38 | 民俗学

そろそろ、終わりに近づいた。今年の大嘗祭は11月14~15日が予定されているようである。王権の交代儀礼、王の擬制的死と復活儀礼ではないかと考察してきたが、それが現代社会で執行されることを、どうとらえればいいのだろう。文化財として、伝統芸能として、保存会が会費を集めて行う行事ではない、象徴天皇制として現実の政治に何らかの影響を与えることを、民主主義社会で許してよいのだろうか。天皇家の家儀礼として行うのが正しい選択ではないか。時の政権の宣伝となるようなことは、天皇家も望んではいないだろう。政権と近しくなるほどに、政権が転覆した時に天皇制も同時に転覆する可能性が高くなる。天皇家にとって絶対命題は、天皇制の存続であるから、権力からはできるだけ遠い位置をとろうとするだろう。


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