民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

自然保護

2005-11-12 17:46:07 | その他
 2週間ほど前だろうか、東京で人々の憩いの場であった桜並木をきってマンションを建設しようとする工事に、地域住民(なぜか女性が多かった)が抗議する映像がニュ-スで流れた。女性は泣いて、桜の木の保護とそれを切ることがいかに非人間的行為であるかを木を切る工事業者に訴えていた。スタジオのコメンテイターも、何とか残せないかみたいなことをいっていた。
 きっとこの映像を見て、なんて環境保護に理解のないマンション建設業者かと腹を立てている人が多いだろうと思うにつけ、自分はこの安っぽいステレオタイプのニュースの取り上げ方に腹を立てた。桜の木は、個人が空き地にしていた土地に植えられていたものであり、どれだけその桜を地域住民が毎年楽しみにしていたとしても、他人の家の桜を見せてもらっていたのである。今回その空き地を業者が買って桜を切り、跡地にマンションを建てようと適法であるかぎり業者には何の非もない。今あわてて桜を守れと、ヒステリックに訴える住民は空き地を貴重な緑地だから区が買い取れと、運動したことはあったのだろうか、さらにマンション建設業者に桜を残してマンションを小さくして建てろというなら、自分の土地も削って緑地にするから業者もしなさいといえるのだろうか。自分の土地はしっかり守り、木を植えるスペースはないから他所の家で木を切るなというのは、あまりに身勝手ではなかろうか。自分の敷地を提供できないなら、お金を出し合って空き地を買い取ることだってできる。
 緑を守れと大儀をふりかざして自分は何も負担せず、相手にだけ負担を求めるのはフェアでない。