民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

近況

2019-06-12 09:43:19 | その他

体調を崩して、ごろごろとしています。先週からカラセキが出て体がだるかったものの、熱もないのですぐよくなるだろうと、通常もしくはそれ以上の労働をして過ごしていましたがいっこう体力はは回復せず、月曜に医者に行ったところ風邪をこじらせて、気管支炎になっているといいます。こじらせたつもりはなく、ひどい風邪の症状もなかったのにです。抵抗力がなくなったこと、無理してはならないこと、老人を自覚すべきことを学びました。

ここ20日くらい、あちこち片付けまくっていました。妻の実家に設置した書庫を整えたころ、属する研究会の刊行物の在庫を、色んな行きがかりから私が引き取らなければいけないこととなり、書庫のバックヤードの物置も片付けなければならなくなりました。すこしやってみましたが、置いてあるのは私の子どもたちの荷物や、もともとこの家にあった荷物など。整理してスペースを空ける(軽トラックの荷台までの高さに1台分)のはかなり大変で、あきらめました。そして、妻の実家の書庫に蔵書を運び込んだので空いた、自分の実家のプレハブ書庫を片付けて、こちらに入れることにしました。とはいえ、そこには施設にいる母の衣類を衣装カンにいれて置いてあります。そこで、別の物置を片付けて母の衣類を整理して移し、プレハブに在庫の出版物を入れるスペースを作りました。

この状態にするまでが大変でした。埃だらけの中を荷物をあっちへこっちへと動かしました。この時吸ったホコリと花粉症の炎症が重なり、気管支炎を誘発したのだと今になって判断しました。

お船祭りのまとめを、もう1箇所書かなければいけませんが、ベッドに横になり昨日は読書。このところ気になっている、折口の『大嘗祭の本義』に関する文献として、『マージナル』2号を読む。これには、古代研究に載っている「古代研究」の別稿が掲載されているのです。それを読むために古本で取り寄せたマージナルですが、昭和の終わりに創刊されたこの雑誌が面白い。アンダーグラウンドを求める時代の雰囲気があったものか、平成の終わりとはひどく雰囲気が違います。それから、書庫から掘り出した、大江健三郎自選短編集を読む。その後の大江を知りながら、初期の短編を読むと色々考えさせられました。


原武史『平成の終焉』を読む

2019-06-02 14:37:14 | 読書

今や原武史のお家下芸ともなった天皇物の最新刊、『平成の終焉』を読みました。あと5年もしたら、『令和の流儀』という新刊がでます。といっても、皆さん本当だと思うでしょうね。何とでも論評できますから、原さんの書く種はつきず、ある意味皇室ジャーナリストといわれてもいいですね。ただ、内容は辛口です。平成天皇の平成流を単純に賛美する右でも左でもありません。明確に憲法を踏み越えた発言だという原さんを、何といったらいいんでしょうか。確かに、慰霊の旅や被災者への対応から、安部政治よりずっと民主的だと多くの国民が感じたことでしょう。そして、天皇さんに頼めば何とか変わるのではないか、という期待を抱いた人もいるでしょう。私も少し、そう思いかけました。しかし、それでは戦前に直訴した田中正造の心性と同じ、天皇制下の人々が抱いた幻想と同じになってしまう、ということが、この本を読んでわかったことです。原さんは皇后の役割、ふるまいを重視する人です。皇后の在り方で、天皇の行動、人々の受け止め方が変わると考えています。

さあ、新天皇、雅子皇后はこれからの立ち居振る舞いを、どのように計画しているのでしょうか。特に皇后が重圧にたえて自分流を打ち出せるのか、注目されます。私は2人で早く退位もしくは皇籍離脱して、人権のある人として生きてほしいと思います。