民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

コロナ後の心性3

2020-07-06 15:56:23 | 民俗学

前回、静かに進んでいた民俗の変化がコロナを契機として、急速に進むのではないかと書きました。習俗を簡略化するのにコロナは格好の理由付けとなります。いやでもやらなければならなかった習俗が、一気に廃止になるかもしれません。明治維新で旧来の陋習といわれ、敗戦で非民主的だといわれてなくなってきた儀礼が、壊滅的な打撃を受けるのではないか、と思うのです。人と人とが物理的距離をとって相対し、人が寄り集まることをできるだけ避けるとなれば、儀礼的な習俗はやりたくてもできませんから、やりたくないと思っていたものは、これを機会に廃止の方向へ大きく舵を切ります。

行為としては昔からやっていたことや、皆がやるからしかたなくやっていた事はやらなくなるでしょう。ところが、その原動力となっている「同調圧力」は、むしろ強まっているようにも思えるのです。自粛要請に応えない店への誹謗中傷、自粛警察ともいわれる攻撃、町会役員による自粛パトロール。まるで戦時中みたいです。欲しがりません勝つまでは、ではありませんが、出かけませんコロナに勝つまでは、といった感じです。感染が怖いのはわかりますが、みんな生活がかかっています。生活保障があればですが、そうでなければ店を開くというのは当然な行為ではないでしょうか。

同調圧力は社会状況が変わっても変化しない、ということが今回わかりました。昨日までの軍国主義者が、今日は民主主義を唱えるようなものです。ここを変えないと、この国に創造的な仕事は生まれようがないと思います。

 


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