昨日は大町市の文化財の会議で、旧八坂村大平の庄屋宅を見学しました。善光寺地震後の江戸時代末期に再建されたと想定される建築で、梁間6間、桁行18間もあり、さらに式台を設けて上客の接客のできる取次・座敷・広間を後から付け加えてあります。太い柱を使ってあり、大黒柱に至っては17寸(52cm)もあります。地方の豪農の家としては屈指の大きさです。
この建物は元の住人の手を離れ、荒れていた屋内を片付けたり整備したりしている最中でした。貴重な建物ではあるものの、行政には出すお金はありませんから、住んで管理してくれる人がいるということはありがたいことです。こんな山中の建物を買って利用しようというのですから、私はリタイアした年配者の田舎暮らしにあこがれる人かと思いました。ところが、建物を片付けていたのは20代の若者でした。自分で片付け整備して、カフェを開き地域の人々が集まれる場所にしたいといわれました。内部はかなり荒れていて、アナグマのタメグソが何か所もあったり、ネズミがいたり、キツツキが明けた穴が何か所もあったりだといいます。一度泊まったが夜は怖かったといっていました。一人で整備するにはとんでもない広さがありますし、資材のたくさんいります。もくもくと一人で作業しているかと思うと、頭が下がります。そして、来月にはカフェを開くといいます。
ウーン、本とに文化財保護と活用上からはすばらしいことですが、カフェを仕事にして若い者が生活していけるかと心配になります。アナグマの侵入をどうやって防いだらいいか、同行したみんな心配していました。若者頑張れ。