民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

遺品整理

2020-06-15 17:19:46 | 民俗学

既に書いたように昨年12月末には妻の母を、この3月末には実母を亡くしました。両方の父は既に亡くしましたので、両親の4人ともを亡くしたのです。父が亡くなった時は、母が元気で存命だったので、父の遺品は何となく手を付ける気にならず、実は何もできないにしても母親が始末するべきものののような気がしていました。ところが母もなくなってみますと、いよいよ残された物を片付ける人は誰もいないことがはっきりしました。母がなくなったばかりの頃は、さすがに故人の残した物を捨ててしまう気にはなれなかったのですが、今になれば、このままにはしておけないという思いや、自分の体が動くうちに何とかしておかなければいけないという焦りも出てきて、両方の家の、といっても自分の実家がどうしても主体とはなりますが、遺品の片付けを始めています。遺品と言っても、その大部分は衣類です。ところが運悪く、コロナの影響で古着の輸出が止まっているとかで、資源としての衣類の収集が中止となってしまいました。仕方なくダンボールやビニール袋に入れて片付け保管しておくことにしました。そして、空いたタンスなどを捨てることにしました。

高齢の方と話をしてよくうかがうのは、子どもに迷惑をかけたくないというものです。自分もそう思います。私どもの親たちは、後の始末は子どもがしてくれる、任せるのが当たり前と思い、何の整理もしないで亡くなっていきました。それが普通だという世の中で育ち生きてきたわけですから、仕方のないことです。ところが、自分自身は子供に全てを任せておけばいいとは思えません。自分の体が動くうちに、できるだけ自分の始末はしておかなければなりません。親が残した雑物を片付けながら、自分の行く末をしみじみと考えてしまうのです。


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