民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

本屋で本を買う

2016-12-25 09:23:53 | その他

 蔵書の整理をしましたから、最近は安易に本を買わないようにしています。一方で本を処分しながら一方で購入するのは、何だか矛盾した感じがして、本当に買う必要があるかどうか考えるようにしています。そして、やっぱ買おうと思うと本屋に買いに行くのは面倒ですし、近所の本屋ではないことも多いので、ネットで、もっといえばアマゾンで買うことが多いのです。というより、いつもそうしています。とはいえ、年末ですので本屋で背表紙を見ながら、話題の本新刊の本などがあったら買いたいと思い、駅前の丸善にでかけました。本屋に行くのは本当に久しぶりです。一番見たかったのは、集英社新書にいくつか興味を引く書名があることが新聞広告で知りましたので、それを見たかったのです。新聞広告にあったいくつかの書名の本を手に取って見ましたが、読みやすくするために対談形式が多く、お金を出してまで買って書棚に置くのはもったいなく思われました。そんなことを思いつつ背表紙を見ていて予期せぬ本を見つけました。中沢新一の『僕の叔父さん網野善彦』です。書名は聞いたことがありましたが、集英社新書とは知りませんでした。そして、買うことにしました。

 さらに新書の棚を見ていきました。背表紙を見ていくのは本屋にきてこその楽しみです。若いころはこうしていると、2時間3時間はすぐに過ぎてしまいました。今は立っていると疲れたり、老眼鏡をかけないと背表紙だってはっきり見えません。それでも、並んでいる本を見ていくのは楽しい時間です。そして見つけたのは、青木理『日本会議の正体』(平凡社新書)です。日本会議はずっと気になっています。日本会議について書かれた本は他にもありましたが、これが一番かっちりしていそうだったので、こいつも買うことにしました。その隣に、「白川静入門: 真・狂・遊」がありました。白川先生がなくなって10年になるといいます。夏の東洋史・中国文学の共同研究室にステテコ姿でいた白川先生は強烈でした。中国文学概論の講義で聞いた、屈原の講義は講談のようでした。声がまた渋くて大学者の風格がありました。白川先生についての概説のようなものでしたか、これは買うのはやめました。白川先生の衣鉢を継ぐ研究者いないだろうと思います。柳田・折口の真似する者はいても、学問は継ぐ者がいなかったように。偉大すぎるのです。

 そして、民俗関係の棚に移動して背表紙を見て、どうしてもその真っ白な背表紙から目を離すことができなかったのは、ずっと気になりながら厚すぎて買うのをためらっていた、安藤礼二『折口信夫』。値段も気になる。今まで値段までみなかったが、裏返して値段を見ると、3,700円(税別)とあります。この厚さだと、7,000円位かなと思っていたら、意外に安い。ほんとかなと見直すも間違いありません。論文集ではありますが、売れると踏んでつけた値段ですね。4刷となっています。ここまでくれば、もう買うしかありません。決意して読むことにしたのです。


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