民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

A先生の生き方に学ぶ

2016-12-21 16:55:45 | その他

先日、日帰り温泉の脱衣場で久しぶりにA先生に会って話し込みました。本当に偶然です。

 私が県史刊行会での長い勤務から中学校という学校現場に戻った時、A先生もインドネシアの日本人学校から戻ってきて、同じ学校のA先生が主任私が副主任という役割で勤務しました。私は久しぶりの学校勤務でしたので、理不尽なことがいくつか気になりました。それは多分海外から帰ったA先生も同じように感じたと思います。それで私たちの学年は、その学校の伝統だといわれて続いているおかしなことをいくつも止めました。A主任は柔軟な発想の人でした。その後互いに管理職となり、同期で1・2年勤務し、A先生は定年で私より先にやめました。やめた後のことです。A先生は2度目の勤め先を一切断って、百姓をするといってました。自分も勧められた勤めは断って、家にいて自分の研究だけします、といったのですが、百姓をやるというのは尋常ではありません。A先生のお宅は農家ではありませんから、農業の心得があるわけではありませんし、広い農地があるわけでもありません。なんでも、農業学校へ行って習い、農地は借りるとのこと。続くわけがない、一時のロマンだなと正直、A先生が退職するときに聞いた話には、そう思いました。その後、農地を借りて加工トマトを作っているとか、松川に農地つきの古屋を買ったとかいう話も聞きました、いつまで続くのかな、無理なことを考えたものだぐらいにしか思えませんでした。自分が、ほんのわずかの畑の管理に四苦八苦しているからです。

 風呂で会ったA先生は、若々しく風呂から上がった顔はつやつやとして、本当に健康そうでした。加工トマトは委託生産で機械を使ってやるからそんなに大変ではないといいます。でもスマホで見せてもらった広いトマト畑の苗は、何千本と手で植えるのだそうですし、収穫はかごにとってコンテナに移すからそんなに重くないといいます。聞いただけで気が遠くなりそうです。そのほかに、今年は薬草を試験栽培してみてくれと頼まれて作っているとか。松川に買った家は自分で材料を買ってきて工法を調べ、フローリングにしたり白壁を塗ったりしてリフォームしたそうです。そこには焼き物の工房も設け、農作業の合間には土をこね焼き物をしているといいます。田んぼがあり、田植えと刈り取りは手でやるのだそうです。暖房はもらってきた木材の薪ストーブで、お金のかからないように楽しんでいるのだそうです。なんだか、本当に楽しそうです。合理的な話も聞きました。松川に泊まることはないので、松本から松川まで車で行きかえりをすれば、ガソリン代が何万円もかかります。そこで、三菱の軽の電気自動車にしたそうです。ソーラーで発電した夜間電力で4時間充電すれば、十分に行き来できて、ガソリン代はいらないのだそうです。

 今度A先生の隠れ家に行くこと、徳利が一つほしいとお願いしました。そしたら、そばを打ってごちそうしてくださることになりました。来年尋ねるのが楽しみです。(百姓はしないでしょうが、山に隠れ家を買って自分でリフォームしたか、しているという大学時代の友人もいます。男のロマンでしょうかね。)


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