○シューマン 交響曲第4番 セル/クリーヴランド管弦楽団 1960年3月12日
○シューマン 「マンフレッド」序曲 セル/クリーヴランド管弦楽団 1959年1月21日
セルのシューマンというとロマン性のかけらもない演奏という先入観から、買うことはしませんでしたが、何年か前、交響曲全集が格安で発売されていたため、購入しました。しかしながら、やはり聴くに気になれず、長くしまいこんだままにしておきましたが、ようやく聴いてみることにしました。
結果は、予想通り。
ゆったりした部分ではあっさり、早い部分ではキリリッと引き締まった早いテンポで、完璧なまでの演奏を繰り広げていました。完全にセルの意のまま、独壇場という感じです。構造美、またはクールビューティと表現すればよいでしょうか?
3楽章では、弦の刻みがことのほか鋭く、印象に残りました。
それにも増して驚かされたのは終楽章です。同じように速めのテンポでいくのかと思いきや、第2主題の終わりあたりでぐっとテンポを落としてきたのです。しかし、ロマンチックというのでなく、あっさりしていて、ここはこういうテンポが正しいとばかり言っているようでした。また、展開部で盛り上がってきたところでのホルンも中々よかったです。再現部でもテンポを落としたり、上げたり。
新鮮味を感じた演奏でした。
マンフレッド序曲も同じ印象でした。