イタリアの巨匠カルロ・マリア・ジュリーニが指揮するレコード・CD録音は名盤が多数存在し入手も比較的容易だがこと映像記録となると意外に難しいことに気づく。彼は1960年イスラエル・フィル、1975年ウィーン交響楽団、1982年ロス・フィルと計3回の来日を果たし私も1975年ウィーン響との公演には足を運んだがこれらの来日公演の放送記録(ラジオ・テレビ共)の記憶がない。おそらく放送されなかったのではないか(?)と思う。そういった意味でも今日紹介する写真のDVDは大変貴重な映像に属するものではないかと思っている。
収録内容は南ドイツ放送協会(SDR)が1997年に制作した彼がシュトゥットガルト放送交響楽団に客演した時のブルックナー交響曲第9番ニ短調のリハーサール風景と本番をたっぷりと収録したものである。演奏会はこのオーケストラの本拠地シュトゥットガルトのベートーヴェン・ザールでの収録と思われる。リハーサル風景ではジュリーニの細かな指示がよくわかり大変興味深い。また彼はこの映像制作の約10年前にウィーン・フィルとの同曲のライヴ録音をDGからリリースしているが演奏が対照的なのが面白い。ウィーン・フィル盤の録音とこの映像の演奏では演奏時間にして約9分近くウィーン・フィル盤の方が長い。ウィーン楽友協会大ホールでのライヴ録音ということでホール並びにオーケストラの性格の関係もあるかもしれないが聴き比べも興味がわくところである。平たく表現すればシュトゥットガルトのDVD盤はテンポを速めにとり鋭角的な捉えかたをした演奏、またウィーン・フィル盤はこのオーケストラが持つ弦や金管のたおやかな響きを前面に出しじっくりとうたわせた演奏ということになるのだろうか。いずれにせよ2つの性格の違うオーケストラの特色が良くでた演奏には違いない。
収録内容は南ドイツ放送協会(SDR)が1997年に制作した彼がシュトゥットガルト放送交響楽団に客演した時のブルックナー交響曲第9番ニ短調のリハーサール風景と本番をたっぷりと収録したものである。演奏会はこのオーケストラの本拠地シュトゥットガルトのベートーヴェン・ザールでの収録と思われる。リハーサル風景ではジュリーニの細かな指示がよくわかり大変興味深い。また彼はこの映像制作の約10年前にウィーン・フィルとの同曲のライヴ録音をDGからリリースしているが演奏が対照的なのが面白い。ウィーン・フィル盤の録音とこの映像の演奏では演奏時間にして約9分近くウィーン・フィル盤の方が長い。ウィーン楽友協会大ホールでのライヴ録音ということでホール並びにオーケストラの性格の関係もあるかもしれないが聴き比べも興味がわくところである。平たく表現すればシュトゥットガルトのDVD盤はテンポを速めにとり鋭角的な捉えかたをした演奏、またウィーン・フィル盤はこのオーケストラが持つ弦や金管のたおやかな響きを前面に出しじっくりとうたわせた演奏ということになるのだろうか。いずれにせよ2つの性格の違うオーケストラの特色が良くでた演奏には違いない。