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カラヤン/ベルリン・フィル9回の来日公演を振り返って(3)

2009-05-01 22:46:25 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 カラヤン/ベルリン・フィルの5度目の来日公演は「大阪国際フェスティバル」開催20周年記念の年、1977年11月に実現した。この時はの公演は1970年の公演と同様に大阪公演から始まった。11月6日からのとう大阪全5回の公演はブラームスツィクルスがメインプロで交響曲全4曲とヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調作品102(ヴァイオリンーコンサート・マスターのトマス・ブランデイス、チェロ:主席チェロ奏者オットマール・ボルヴィツキー)、ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77(Vn:塩川悠子)、ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83(ピアノ:アレクシス・ワイセンベルク)等が演奏された。大阪最終日の11月10日のみ特別プログラムでベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調
作品58(ピアノ:ワイセンベルク)とR.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40が演奏されている。(会場は全て大阪フェスティバル・ホール)
 続いて舞台を東京に移し当時色々と音響等の問題で物議をかもした東京・杉並の普門館(収容約5,000人の大ホール)で全6回の公演、プログラムはベートーヴェン交響曲ツィクルスがメインで11月14日と17日に同行したワイセンベルクのピアノで協奏曲第3番ハ短調作品37と第5番変ホ長調「皇帝」が演奏された。この来日公演、ほとんど連日会場に通いつめた私であった。映像は大阪公演の一部ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番とブラームス交響曲第1番(11/11放送)と東京11/16公演ベートーヴェン交響曲第6番/第5番がテレビ朝日で翌年の正月2日に放送されている。またFM放送では交響曲第5番と第6番を除く交響曲7曲がFM東京の「TDKオリジナル・コンサート」で放送された。
 続く6度目の来日はその2年後の1979年10月に全9回の公演全てを前回の東京公演と同会場の普門館で開催された。聴くところにによるとカラヤンのアドヴァイスもあり反響板を設置するなど音響面でいくらか改善されたとのことである。
 この来日公演のもうひとつの目玉はカラヤンと長い付き合いのあるウィーン楽友協会合唱団が同行しニコライ・ギャウロフ、ミレッラ・フレーニ、ペーター・シュライヤー、アンナ・トモワ・シントゥ、アグネス・ヴァルツァら当時のカラヤン組の名歌手が一同に勢ぞろいした公演だった。私も発売当日にいい席を取るためににプレイガイドに並んだ記憶がある。この時は3回ほど会場に足を運んだ。それは私が最も聴きたかった10/17公演のマーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」、翌10/18:シューベルト交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」/チャイコフスキー交響曲第5番ホ短調作品64そして10/26の最終公演ヴェルディ「レクイエム」である。
 どれも素晴らしい演奏だった。この来日公演のテレビ放映はなかったがNHKFMで上記10/18公演、10/19公演ドヴォルジャーク交響曲第8番ト長調作品88、ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」最終日10/26公演ヴェルディ「レクイエム」、前後して10/21のベートーヴェン第9公演は会場からの生中継された。さらにまたこの年1979年はFM開局10周年に当たりこの生放送は記念すべきNHKデジタル放送第1号になったそうである。この第9演奏会ライヴは後に(2002年)に「普門館ライヴ」としてCD化もされた。そして昨年NHKクラシカルから限定期限つきで発売された「カラヤン生誕100年記念BOX」に10/18、10/19、そしてヴェルディ「レクイエム」は10/24公演がCD化され収められている。
          
次回に続く