ベルリオーズ(Hector Berlioz/1803~1869)の歌曲と言えば歌曲集「夏の夜」(Les nuits d'été)をすぐ思いつく。彼の歌曲作品の中でも代表する作品と言ってもいいだろう。この曲は彼の友人でもあるテオフィール・ゴーティエ(Théophile Gautier/1811~1872)が1838年に発表した詩集「死の喜劇(La comédie de la mort)から6つの詩を選んで作曲されている。当初はピアノ伴奏によるメッゾ・ソプラノまたはテノールによるもの(1841)だった。後に管弦楽版(1856)が完成される。私、個人的にはスケールが大きい管弦楽版を好んでよく聴く。なかでも写真のLP、ニュージーランドの名ソプラノーキリ・テ・カナワが1984年にダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団とデジタル録音した演奏が好きである。彼女の艶やかな美声が堪能できる演奏だと思う。
ところでこの作品を作曲当時のベルリオーズは仕事、私生活の両面で大変な時期にあったと言われている。その背景は現在でもその序曲はよくコンサートでも演奏される彼の最初のオペラ「ベンベヌート・チェッリーニ」(Benvenuto Cellini)がパリ・オペラ座でアブネックの指揮で初演されたが不評で失敗に終わっている。また私生活の面でも妻ハリエットともうまくいかなくなり始めたころである。そのような状況下で作曲されたこの作品には彼の憂鬱で何か不安げな様子も窺えるような気がする。
選ばれた6つの詩は
1.ヴィラネル(Villanelle)
2.ばらの精 (Le spectre de la rose)
3.入り江のほとり(Sur les lagunes)
4.君なくて(Absence)
5墓地にて(Au cimetière)
6.未知の島(L'île inconne)
の6篇である。
尚、このレコードには他にソプラノ、ジェシー・ノーマンが歌うカンタータ「クレオパトラの死」が収録されている。こちらもなかなかの好演だ。
ところでこの作品を作曲当時のベルリオーズは仕事、私生活の両面で大変な時期にあったと言われている。その背景は現在でもその序曲はよくコンサートでも演奏される彼の最初のオペラ「ベンベヌート・チェッリーニ」(Benvenuto Cellini)がパリ・オペラ座でアブネックの指揮で初演されたが不評で失敗に終わっている。また私生活の面でも妻ハリエットともうまくいかなくなり始めたころである。そのような状況下で作曲されたこの作品には彼の憂鬱で何か不安げな様子も窺えるような気がする。
選ばれた6つの詩は
1.ヴィラネル(Villanelle)
2.ばらの精 (Le spectre de la rose)
3.入り江のほとり(Sur les lagunes)
4.君なくて(Absence)
5墓地にて(Au cimetière)
6.未知の島(L'île inconne)
の6篇である。
尚、このレコードには他にソプラノ、ジェシー・ノーマンが歌うカンタータ「クレオパトラの死」が収録されている。こちらもなかなかの好演だ。