私が初めて朝比奈 隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団によるブルックナー交響曲の生演奏を聴いたのは37年前、1972年7月18日大阪フィル第11回東京定期公演でのことだった。会場は東京文化会館5階センター席(天井桟敷)でプログラムは交響曲第9番ニ短調(ハース版)による演奏だった。この頃から彼がブルックナー交響曲をプログラムに取り上げる機会が徐々に増えていった記憶がある。今日のテーマは日本人指揮者による初のブルックナー交響曲全集になったジャン・ジャン制作、大阪フィルとの全集盤を取り上げてみた。この全集盤はLP17枚+特典盤(大阪フィル1975年欧州公演、聖フロリアン修道院、第7番Live)から内容で本編の録音は第7番と第9番を除き全てライヴ収録である。但し、習作交響曲のヘ短調と0番ニ短調の2曲は除外されている。録音は1976年4月14日第7番ホ長調(神戸文化ホール/聴衆なし)から開始され1978年1月25日第5番変ロ長調の大阪フェスティバル・ホールライヴ収録で完了している。使用楽譜はハース原典版を用い、第1番ハ短調はハース校訂によるリンツ稿、第3番ニ短調はエーザー版を使用した演奏である。
さて演奏であるがこの全集盤に限らず朝比奈のブルックナー交響曲の演奏コンセプトはじっくりたっぷりと各楽器パートをうたわせるところにあると思う。このレコードの演奏を聴くと大阪フィルのメンバーが全員一丸となって取り組んでいることがひしひしと感じとれる。少々のアンサンブルの粗さはそれほど気にならない。
特に第3番、第5番、第7番、第9番はこの全集盤で私好みの演奏だ。ここに朝比奈のブルックナー交響曲解釈の原点があるように思える。また私が実際に会場の東京文化会館で聴いた第4番変ホ長調「ロマンティック」(1976年7月29日ライヴ/大阪フィル第15回東京定期公演)もこの全集に収録されているがこれもなかなか聴き応えがある演奏だ。第2楽章と第4楽章が見事だった。
彼はこの後、手兵大阪フィルはもちろんのこと新日本フィル、東京交響楽団、東京都交響楽団、NHK交響楽団等々ともブルックナーの交響曲を何度となくライヴ録音を行ったが晩年の演奏はさらに素晴らしかった。なかでも東京都響と入れたサントリーホールでの2つのライヴ録音、第5番変ロ長調(2000年3月29日)、第7番ホ長調(1997年10月24日)は私にとって忘れ得ぬ名演だった。
さて演奏であるがこの全集盤に限らず朝比奈のブルックナー交響曲の演奏コンセプトはじっくりたっぷりと各楽器パートをうたわせるところにあると思う。このレコードの演奏を聴くと大阪フィルのメンバーが全員一丸となって取り組んでいることがひしひしと感じとれる。少々のアンサンブルの粗さはそれほど気にならない。
特に第3番、第5番、第7番、第9番はこの全集盤で私好みの演奏だ。ここに朝比奈のブルックナー交響曲解釈の原点があるように思える。また私が実際に会場の東京文化会館で聴いた第4番変ホ長調「ロマンティック」(1976年7月29日ライヴ/大阪フィル第15回東京定期公演)もこの全集に収録されているがこれもなかなか聴き応えがある演奏だ。第2楽章と第4楽章が見事だった。
彼はこの後、手兵大阪フィルはもちろんのこと新日本フィル、東京交響楽団、東京都交響楽団、NHK交響楽団等々ともブルックナーの交響曲を何度となくライヴ録音を行ったが晩年の演奏はさらに素晴らしかった。なかでも東京都響と入れたサントリーホールでの2つのライヴ録音、第5番変ロ長調(2000年3月29日)、第7番ホ長調(1997年10月24日)は私にとって忘れ得ぬ名演だった。