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カラヤン・「ウィーン国立歌劇場」総監督時代に上演した珍しいオペラ

2009-05-13 18:52:51 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 カラヤンがウィーン国立歌劇場の総監督時代に唯一取り上げたオペラの一つに近代イタリア音楽の復古主義を唱え新古典主義音楽を推進したイルデブランド・ピツェッティ(Ildebrando Pizzetti/1880~1968)の「大聖堂の殺人」というタイトルからして推理小説みたいな作品がある。ピツェッティの1957年の作品で日本ではその知名度はほとんどないと思われる。物語は12世紀に実際にカンタベリー大聖堂で起きた時の大司教トマス・ベケット殺害事件を題材に扱ったオペラである。何でもベケットと言う人物は1155年、時の王様ヘンリー2世の大法官時代王に協力し実績をあげ1162年カンタベリー大聖堂の大司教となったそうである。しかしもめ事はいつの時代にもつきものやがて王と対立、フランスに亡命、ほとぼりがさめた1170年に再び古巣に帰任したが1173年、王の側近の騎士に聖堂内で暗殺されたとう事件。ピツェッティはこの話をT.S.エリオットの同名の戯曲を2幕構成のオペラにしたものである。
 カラヤンはこの作品をウィーン国立歌劇場総監督を兼任していた1960年3月から4月にかけ数回上演したがその後の記録はなくこのライヴ盤はその意味においても貴重なものである。主役の大司教トマス・ベケット役に名バス・バリトンのハンス・ホッター起用、録音はモノラルながら聴きごたえある名演に仕上がっている。(1960年3月9日、ウィーン国立歌劇場でのライヴ録音)
 最近大司教をルッジェロ・ライモンディが演じた映像がリリースされたとのことでぜひこちらも見てみたいと思っている。


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3 コメント

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Unknown (オレゴンローズ)
2009-05-14 08:36:45
美しい音楽に囲まれている生活ほど心豊かで幸せなものはないのではないでしょうか?実はこの所生活が煩雑なために音楽とは縁が遠くなっています。
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時間を見つけて好きな音楽を (florian2896)
2009-05-14 11:56:36
 オレゴンローズ さま

 お仕事忙しいそうですね。
たまには時間を見つけて好きな音楽を聴いてください。
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florian2896 (オレゴンローズ)
2009-05-17 15:18:15
有難うございます!少し時間を見つけてよい音楽を聴き心を落ち着かせる必要があるようです。良い音楽は心の栄養ですね。
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