20歳からの<現代文>入門 (生活人新書) | |
中島克治 | |
日本放送出版協会 |
☆「授業で提示された一種のオフィシャルな読み方を超えるおもしろい読み方を、自分なりに発見できることも、近代小説の再読のおもしろさといえるでしょう。」という想いで、
☆高校卒業後、押し寄せる波の如く激動する社会の中で、その表層部から、ふと深海のどうしようもない美しさと恐怖の想像の中に沈潜してみようよという趣旨の本。そこに変わらぬ人間の問題が横たわっている。
☆しかし、読解ノートという手法の<現代文>の読み方プログラムは、著者中島先生の麻布学園の授業のプログラムそのものである。
☆いかに読解ノートのプログラムを通して、生徒間や生徒と教師が真剣に対話しているか、その様子が映し出されている。
☆本書を読み進めて不満に思うことは、人生の問題意識はこんなにもきれいではないだろう。こんなに合理的に理解できないのではないかということだ。
☆しかし、それは自分で読解ノートをとりつつ、自分で考えることで、本書はその出発点になる、テーマを生み出す仕掛けとしてのプログラムを提示しているところで、ぎりぎり筆を止めている。
☆「思いもよらない魅力的な世界」は自分でつかむしかない・・・。