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「最近の若者は内向き」説は真っ赤な嘘 - 日本人の国外流出は年間10万人超、過去最高を記録

2010-11-25 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
一般に、根拠に欠ける説が広く流布される際には、
その背後にある動機を探る必要があります。

例えば「若者に覇気がなくなった、内向きになった」との声が相次ぐなら、
その主張によって何が隠蔽されるのか、何が正当化されるのか、
よくよく考えてみる必要があります。

大前さんのように「少子化で長男が増えるからリスクを取り難くなる」
と理路整然と主張するのはごく一部で、大方は凡庸な世迷い言です。

常識的に考えれば、若年層の質が落ちたと言うのなら
責任は確実に上の世代や指導層にあると考えるのが当然です。
「内向き」発言は怠惰や先見性の欠如の証拠と見るのが正しい。


1)日本全体に覇気がなくなったのを責任転嫁している

 → アップルやサムスンに負け続けている日本企業の方が覇気に欠ける

2)若年層に強烈な社会的圧力がかかっているのに気づかない

 → 世界最悪水準の世代会計、明るい見通しはゼロ

3)能力の低い人材が自らの非力を隠そうとしている

 → すぐ部下や年下の責任にするのは無能の証拠

4)全共闘世代は人数の多さ、バブル世代は金の力で暴れ過ぎたため
  人数も少なくカネもない若年層が大人しく見える

 → 上の世代の数を半分くらいに減らすか
   バブル期並みの小遣いを与えればいくらでも元気になる

5)自分たちの雇用維持のために新卒採用を絞り込んでいるので
  若者が劣っている印象を与えておけば批判されにくくなる

 → 政治的にも心理的(罪悪感が薄れる)にも一石二鳥


少し考えても薄汚れた動機が幾つか浮かんできます。

…データとして言うならば、若年層は内向きではなく寧ろ逆であり
日本の「社会減」(海外に出る者が多い)は明確に数値として出ています。

▽ 「外向き」人材は幾らでもいます。





『スーパーパティシエ物語―ケーキ職人・辻口博啓の生き方』






『裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記』(山口絵理子)






『夢をつかむ法則 アニャンゴのケニア伝統音楽修業記』向山恵理子


人材面での革新・多様化・グローバル化は目をつぶっている人には見えない。
当たり前のことだ。


日本ダメなら中国・東南アジア キャリア求める若者の海外流出(j-cast)
http://www.j-cast.com/2010/11/20081288.html

”日本を出て中国やシンガポールなどのアジア圏で働こうとする20~30代の若者が増
 えている。厳しい国内の就職事情から、卒業後いきなり海外で働こうとする学生も
 いて、中国・東南アジアが就職先やキャリアを求める日本人の受け皿になりつつあ
 る。
 アジアでの求人情報を提供している「空カモメ」の運営する中国就職情報サイト、
 「カモメ中国転職」。当初は上海に住み始めた同社代表のブログだったが、個人運
 営で求人掲示板をはじめたところ反響があり、04年に本格的な就職情報サイトとし
 てスタートした。
  日系企業向け、外国語必要ない仕事も
 同社によると、現在月平均30万PV。08年のリーマンショック以降の伸びが顕著だと
 いう。09年には5000件の求人情報を掲載した。
 求職者の内訳は、20代から30代前半の若い層が半数で、女性も多い。前職は飲食店
 や旅行代理店、ホテルなどのサービス業から、SE、プログラマーなどのIT系までと
 様々だ。経済発展目覚ましい中国での勤務経験が将来のキャリアアップにつながる
 と考える人や、旅行の延長気分でとりあえず 1~2年働いてみようと気軽に考える
 人もいるという。
 同サイトで扱う中国での日本人向け求人は、7割が中国進出した日本企業の現地法
 人だ。日本食店の運営や、アパレルの物流管理、日系幼稚園の事務など多岐に渡り、
 日系企業向けの営業や日本向けコールセンターなど、外国語があまり必要とされな
 い仕事もある。
 〔中略〕
 人材会社パソナグローバルが9月に、中国での就職に興味がある人を対象に行った
 セミナーには、当初の予想を越える200人が参加。30代が多かったが、学生も約2割
 いて、盛況だったという。
 中国以外の東南アジア圏に就職しようという若者も増えている。
 女性向けの海外キャリア支援を行っているCTS東京によると、09年頃から、シンガ
 ポールやインドネシア、フィリピンなどの東南アジアでの就職や有給インターンを
 希望する学生が急増。海外エアラインの客室乗務員や外資系ホテルなど、ホスピタ
 リティ業界を志望する人が多いという。
 同社代表の滝川奈穂さんは、
 「当初は20~30代の、ある程度キャリアのある人を想定していたのですが、国内で
 の就職も厳しいこともあって、大学4年生が『国内でキャリアが望めなかったら海
 外へ』と応募するケースが多いです。フィリピンやインドネシアで5つ星の外資系
 ホテルとかだったら、キャリアとしては日本で就職するよりいいかもしれません。
 生活費も安いし気候も温暖で、気持ち的にも余裕がありますよ」
 と話している。
 日本総研が09年に発表したレポートでは、日本人の国外流出数は、07年10月~08年
 9月の1年間で10万人を突破。20代から40代など若い世代が中心で、最近の若者の内
 向き志向が話題になる中、過去20年間で最大だったという。


衆愚論者のようにアメリカ留学だけで判断するのは間違いです。
かつては官庁も企業も簡単に海外留学させてくれていました。
アメリカへの留学人数が中国に抜かれたのは15年も前です。

状況の変化を冷静に考えずに
自分に都合の良いストーリーを勝手に信じ込み吹聴するのは
恥さらしだとどうして気付かないのでしょうか。
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