みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』3月17日号 - 移民受け入れても効果は少ない、出生率を引き上げないと焼石に水

2020-03-13 | 『週刊エコノミスト』より
今週の週刊エコノミストの癌治療特集は判断力が問われる。
実現性の高いものや実用化の近いものもあれば、
何年かかるか分からないものもかなりある。

このメイン特集の中では矢張り癌診療の記事が日進月歩の有様をよく捉えている。
特集から判断する限り、血液よりも尿・唾液による診療に大きく期待できそうだ。

人間ドック関係者はビジネス上の理由か癌検診の受診率が日本で低いと繰り返してきたが、
バリウムや便潜血検査など面倒と無駄な時間ばかりで非効率な検査がいまだに多い。
血液・尿・唾液などより簡便な癌検診の手法を一刻も早く確立させ、
日本の医療ベンチャーが世界市場に打って出る好機とすべきである。

『週刊エコノミスト』2020年 3/17号


エントリーのサブタイトルで挙げたのは加藤久和・明治大学教授の寄稿で、
移民を受け入れても現状の低出生率では人口動態を改善させる効果が低いので
(移民は定住するとその国や地域の出生率に収斂してゆくことが知られている)
「移民(外国人材)受け入れよりも出生率引き上げ」が重要であるという至極当然の結論である。

ただ、惜しむらくは柴田悠・京大准教授の研究に基づいた
効果的で正しい少子化対策の提言がないことだ。
(豊かな高齢者に出している無駄な数兆円を保育の現物給付に移転すれば確実に改善する)
それどころか投資による生産性向上という凡庸で不確実な処方箋しか出していない。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

週刊ダイヤモンドの特集「大推薦時代到来」は非常に示唆的な特集だった。
日本の若手人材の質の劣化はもはや疑いようがないと断言できる。
勿論、優秀な人材がいることも事実ではあるが、全体的には悪化する以外ない。

何しろ「リスク回避、現役志向が強まる」のだから、大学入試改革の失敗は明白
と先週書いたが、特集内容を診ると改めてその予感が正しかったと再確認できる。

また、腐敗した安倍政権と文科省のヒラメ官僚は矢張り失敗を繰り返している。
大学定員の厳格化でも若年層の地方からの流出は殆ど変わらず
ロースクールと同様のお粗末な結果、しかも誰一人として謝罪せず
1ミリたりとも責任を取らないという反社会的な所業が続いている。


他に気になるところとしては、AOでの入学者は学力に劣るのではとの話で、
一定の水準以上の大学は必ずしもそうではないという流れになっている。

極めて個人的な見解で恐縮だが、これは正しくないと考えている。
AOは附属校からの内進によく似ていて、自由度が高い分だけ個々の質がバラバラである。
物凄く優秀な者もいるが、お目こぼしか悪運の強さで進学したよう者もいる。
通常の学力試験で入学した層よりもレベルが大きくバラ付いているのではないか。
…早稲田のAO一期生の中にあの小保方氏が入っていた事実が象徴的だろう。。
(AO入学者やその周辺で事情を知る者はぜひコメント欄に情報提供されたい)

某AO専門塾経営者(安倍昭恵との繋がりを利用し、週刊新潮に散々批判された)に至っては
AOが「金持ち優遇」との批判に対し「塾にバウチャーを出すべき」という
安倍周辺とそっくりな利益誘導政策を堂々と公表する始末。
このような輩にこそたっぷり課税して財源とするべきであろう。


……これだけAOを肥大させて、しかも入学後にアメリカのような厳しさがないとなると
(しかも歴代自民党政権の失政で大学を粗製濫造しているから大学生の質も下がっている筈)
矢張り全体的な人材の質の低下は避けられないと考えるのが妥当であろう。

所謂MARCHに入り易い学校という斬新な特集内容は興味深いものだが、
段々野心が乏しくなっていって安定志向・低意欲化が一層鮮明になっている惨状。
日本経済の地盤沈下、日本社会のじり貧を示唆する特集だったと言えるのではないか。。

『週刊ダイヤモンド』2020年 3/14号 (入学者の5割! 大推薦時代到来! MARCH 関関同立)


現下、大嵐に見舞われているマーケット分析については、
ダイヤモンドが質・量ともに最も優れている。
(エコノミストよりも良いのは賞賛に値する)

また、田中泰輔氏は年頭において為替アナリストやエコノミストの中で
最も弱気(円高派)で浮いていたが、もう今の段階で慧眼であったことが証明されている。
ドルが105円割れするとの予言も完璧に的中しており素晴らしい。
原稿が書かれたのは、今週起きた歴史に残るダウ暴落の前だが、
リスクオフで円高は変わらないと明言している。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のマンション特集、頑張って情報を詰め込んでも
少し前のダイヤモンドよりキレが劣っているような感じ。
(ダイヤモンド特集を見て影響を受けている痕跡もあるが。。)

図や写真が多いので分かり易くした、ということなのだろうか?
ダイヤモンドをメインの参考とし、東洋経済はサブで良いのでは。

『週刊東洋経済』2020年3/14号 (マンションの罠)


小技で面白いのは、ヴィンテージ物件やコンパクト住戸といったところか。
「今は買い時ではない」という点でダイヤモンドと共通するものの、
次回の工夫に期待しておこう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週もダイヤモンドに注目、と言っても定番の農業(JA特集?)特集の方にではない。

▽ サブ特集の「リニア談合暴露裁判」が重要、何しろ腐敗政権だから絶対出ると思っていた

『週刊ダイヤモンド』2020年3/21号


▽ 最近増えてきた財閥特集だが、この非常時に間の悪い印象は免れない

『週刊東洋経済』2020年3/21号 (三菱 150年目の名門財閥)


▽ エコノミストはタイミング完璧!なゴールド特集

『週刊エコノミスト』2020年 3/24号

市岡繁男氏が前々から指摘していた中ロなどの中銀がゴールド買いとの話も。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米中ロに対しては何も言えず... | TOP | 2020年3月第2週チャート »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 『週刊エコノミスト』より