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『週刊エコノミスト』12月21日号 - マセラティが次々売れて中間層は貧困化した、日本経済衰退は歴然

2019-12-20 | 『週刊エコノミスト』より
今週のエコノミスト特集は恒例の日本経済総予測、
冒頭の「消費の二極化鮮明に」は悪くないが
正確に言えば「富裕層以外は全て消費悪化」である。

「アベノミクスの成果」などと放言している自己洗脳集団は兎も角、
2012年から2017年で富裕層以外は全て実質賃金低下なのだから
保身を図り安倍に媚び諂う自民党議員以外は誰が見ても「貧困化」である。

名目値で言えば5年間で富裕層の所得が+6.9%、
中間層がマイナス1.9%、低所得層が+1.2%だから
実質値で言えば富裕層以外は全てマイナス、貧しくなっている。

ただ、他の部分はいまひとつなので次週の世界経済特集も見ないと。
(日本経済が曲がりなりに低空飛行でも安定しているのは世界経済が平穏だから)


市場関連は市岡繁男氏のコラムを熟読した方が良い。
偉大なポール・ボルカーがインフレに完全勝利してから40年、
金利はいつ急騰してもおかしくないサイクルになりつつある。

世界の債務総額が2京円、日銀はぶくぶくメタボ財務で非常に危険だ。

『週刊エコノミスト』2019年 12/24


「2020年は本を出し過ぎたアトキンソン氏の失墜の年か??」
と先週書いたが、氏の中小企業への見方は根本的に間違っている。
中小の劣等企業が市場淘汰されないのは安倍の異常な緩和策とモラトリアム継続、
そして歴代自民党政権が対内投資促進をサボってきたことが元凶である。

また、世界最速で高齢化している日本で増えている雇用は
医療福祉が突出して多い(だから安倍の手柄では全くない)。
成長分野であるが低賃金の保育・育児関連労働者に公費を投入し
女性就労を強力に促進するスウェーデン型の方がアトキンソンより遥かに賢明だ。
(事実、米経済は成長率でスウェーデンに負けるようになった)

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のMARCH特集は小ネタだが面白い。
今の売り手市場が壮大なバブルでかつてのバブル世代の
縮小再生産が起きている、そうはっきり確信させた内容である。

「若年層の低意欲化・超安定志向と大学政策失敗の「合成の誤謬」」
と当ウェブログが先週に警告した通りだと判断出来る。

ダイヤモンドが得意とする座談会形式を模した「採用の現場から本音炸裂」では
保守退嬰の大企業が東大や早慶の学生に逃げられていて
MARCHを「調整弁」として使っている事実
が暴露されている。
他にも立教女子の安定志向の強さ(経営学部の宣伝の上手さが分かる)等も面白い。
対照的にハングリーとされている明治は、以前と明らかに変わっていると思うが。。

最近でてきた新卒を紹介するだけで100万円近く出るビジネスなど
腐敗以外の何ものでもなく果てしなく人的資本を劣化させる
だろう。
これこそ売り手市場バブルの明白な証拠である。

恐らく、いま中小企業では新卒の劣化が進んでおり、
事業の成長より若手のケアに振り回されている筈だ。

『週刊東洋経済』2019年12/21号 (早慶を猛追! MARCH大解剖)


「四季報」の東洋経済らしく「就職先トップ50」や
資格試験対策や研究力については真面目に調べてある。
(案の定、MARCHクラスだと生涯賃金を計算して公務が多いのが興味深い)

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの「書く力」特集はうーんという印象。
ダイヤモンドらしい鋭さがない。
ケーススタディにしてリスク分析と予防策を紹介しては?
今週の日経ビジネスの「謝罪の流儀」の方が数段良い手本だろう。

先週、「企業の収益自体が伸びていないことを示唆する」と
当ウェブログが指摘したのは正しいという結論に達した。

『週刊ダイヤモンド』2019年 12/21号 (伝える! 震わす! ビジネスパーソンのための書く力。)


政策としては小黒一正・法政大教授のコラムの方が重要。
高齢化要因で自治体の財政が悪化していること、
2017年度だけで16.61兆円も地方自治体が負担していること、
公立病院の再編統合が迫られている背景が解説されている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目はダイヤモンド、「地政学的後退で危険な年に」と語るイアン・ブレマーが見逃せない

▽ 2019年『ベスト経済書』も見ておこう!(昨年よりマシな筈)

『週刊ダイヤモンド』2019年 12/28・2020年 1/4 新年合併特大号 (総予測2020)


▽ 東洋経済は「貧しさを直視して小さな国として生きる」(髙村薫)が数少ない賢者の言葉。。

『週刊東洋経済』2019年12/28-2020年1/4 新春合併特大号 (大変革の10年が始まる! 2020大予測)


▽ エコノミスト特集のタイトルは「最後の宴」、今週より良識的だ

『週刊エコノミスト』2019年12月31日・2020年01月07日合併号

何故かドル高でも下がらないゴールドを取り上げる「金と地政学」が興味深い。
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