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『週刊エコノミスト』5月2日合併号-医療や教育の蓄積あっても一人当たりGDP低迷の英、人口動態に敗北

2023-04-28 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミスト合併号の特集は焦点を絞り切れていない感じ。
あの宇沢弘文氏の社会的共通資本の特集は目を通したが、
教育の蓄積も医療の蓄積もGDPとの相関は緩やかなものにとどまり、
寧ろイギリスのような劣等生(医療・教育に力を入れても低成長)もいる。
一人当たりGDP成長に優れたスウェーデンやデンマークとの差は大きく、
直感的には医療も教育も人口動態や労働参加率より影響力がかなり小さいと見える。
(教育も医療も貧相な米国の成長率が高いのが傍証である)


他、注目したいのは82頁。伊藤忠ワシントン事務所長の寄稿で、
出生率が1.8程と高めの米国で、育休が非常に手薄という話だ。
ワシントンDCでは託児所も子供の姿も見当たらず、
子供の送迎のため早く退社するものの家庭でも仕事する場合も。
家族がいようが成果が出ていないと簡単に解雇されるし、
エンジニアの女性幹部の話によれば娘の学校行事には一度も出ず、
子の昼食はいつもパンとピーナツバターとフルーツ。
それでも娘は母のような格好いいエンジニアになりたいと言うとか。
……ジェンダーの面でも彼我の差は余りに、余りに大きいと思った。

『週刊エコノミスト』2023年5月2・9日合併号


市岡繁男氏は米国のマネーストックの急減に警告を発している。
本当に不気味な下落をしていて、不吉である。
長短金利逆転からの危険な時期を考えても、
氏の指摘する信用スプレッドの変調に備えなければならない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドのシン富裕層特集は頑張って取材している。
会社を売って海外というスキームは成る程、合理的だ。
「人気10ヵ国」や当地の物価にも目を配っていて隙がない。
(ポルトガルは入れなくて良いと思うが、ドバイに有象無象が集まる理由が分かる)

特集では富裕層が日本を好きだとしているが、
個人的にはそれは余り信用できないと思う。
(単に、自然や四季の変化が豊かな日本より魅力ある場所が少ないのだ)
定期的に日本を訪れ、最近増えたハイエンドの宿に泊まって
それなりに散財する程度が関の山だろうと思う。

『週刊ダイヤモンド 2023年4/29・5/6合併号 (シン富裕層)


佐藤優氏の新連載は、矢張りごく平凡な分析。
アメリカが中東への関心を弱めているのはシェール革命以来であって
最近になって突然起きたことではないし、イランとサウジの対立は
歴史的・地政学的に必然であり中国が仲介したところで本質的な構造は不変だ。
領土紛争の経験があり、極東で人口の不均衡が明白である以上、
中露関係が底流に緊張を孕むものであることも依然として変わっていない。
中共は単に、ロシアが弱くなり不安定化すると対アメリカで困るのだ。
その辺りを認識できないと、浅い分析で終わるだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済を取り上げる予定。

▽ 「恒例の資格特集も、「副業」と付くと日本衰退の証左に見える」と先週書いた通り、かな。。

『週刊東洋経済』2023/4/29-5/6合併特大号 (食える資格と検定&副業100)


▽ 合併号よりも力が入っていると思う、東洋経済の次号はホテル+富裕層顧客特集

『週刊東洋経済』2023年5/13特大号(ホテル 富裕層争奪戦)


▽ ダイヤモンドは次号ゴルフ特集なのに、何故かテニスも特集している

『週刊ダイヤモンド』 2023年 5/13号 (ゴルフ沸騰)

「独裁経営者実名ランキング」が面白そうだ!
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