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『週刊エコノミスト』8月9日合併号-電力逼迫は今後も続く、風力とコージェネをサボった政策の致命的ミス

2022-08-04 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミスト合併号の世界経済分析は悪くないが常識的なところ。
ただ年頭の予想を大きく外した事実を完全に忘れているような。。

ゴールドの水準と金利の相関は想定内だが、
長短金利逆転で景気後退が必ず起きていたと言いつつ
株価は寧ろ上がることもという誤摩化しは良くない。
株価が上がるかどうかは期間をいじれば粉飾できるものだ。


エントリーのサブタイトルは78頁より。
データとしては役立つのではあるが、
執筆者は日本総研所属なのに驚くほど質が低い。

「太陽光発電が火力を押し出し」ているのが
供給不安が当分続く理由だとしている分析で、とんもでもない間違いである。
おまけにコスト的に見合う訳がない蓄電池への集中投資を提唱している。
(せめて小型EVの普及策と組み合わせないと話にもならない!)

太陽光の問題は第二次安倍政権でメガソーラーを規制しなかったのが主因、
そして風力開発を5年以上もサボりコージェネ促進を怠っているからだ。
はっきり言って原発利権を擁護した安倍の政策が電力問題の元凶である。
東北の風力開発は遅れに遅れ、淡路島も佐多岬も玄界灘も敦賀も御前崎も
原発稼働の邪魔になるから潜在風力資源の活用が不十分なのである。

曲がりなりにも風力開発の進む北海道と東北の電力予備率が優っているのが
何よりの証拠である。しかもどちらもまだ原発稼働していない地域だ。


東電管内も、これだけ熱需要が大きいのだから全力でコージェネ導入すれば
エネルギー高騰の打撃を大きく軽減できたものを、安倍の失政の罪は余りにも大きい。
(この記事では全く触れていないがコージェネは発電ピークに対応できる)

『週刊エコノミスト』2022年 8/9・16合併号【特集:世界経済 '22年下期総予測】


市岡繁男氏の寄稿は非常に良い。
今後、中国経済の衰退・低成長化を確実に予想できる。
・今年、中国は人口のピークを迎える
・人口動態から見て不動産バブルの崩壊は必然
・65歳以上人口の増加は日本より急激

これがいかに重大な問題か、すぐに分かるであろう。
氏は大豆と非鉄相場の急落に注目しているが、
大豆は既にウクライナ侵攻前の水準を割り込んでおり
中国経済に重大な変調が生じていることを示唆している。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のトヨタ特集は鋭さがない。
最大の問題は電動化への対処で、
欧州市場や中国市場で出遅れていないか、
いずれ日本でも電動化せざるを得ないから
(FCVは今のところ大きな市場になる可能性が低い)
日産・三菱連合にどう対抗するか、が焦点の筈だが。
欧州・中国以外の市場での環境対応車の分析も殆どないという。。

『週刊東洋経済』2022/8/6号 (独走トヨタ 迫る試練)


佐藤優氏の連載は今回も読む価値が低い。
ゼレンスキーによる閣僚の排除がロシア側の工作によるものとする相変わらずの情報操作で、
だったらプーチンによる政権内の粛正は誰の工作なのか、プーチンの自殺行為なのか、
ロシア側の脛の傷には全く触れないご都合主義で、これではロシアの代弁者と指弾されるだけだろう。

氏はダイヤモンド誌の連載で旧統一教会問題についてもおかしな論理を展開、
フランスの反セクト(アンチカルト)法を全く知らない筆致には驚いた。
旧統一教会は欧米で定義する「カルト」の条件に複数合致していて
通常の「宗教団体」では全くないから、実際に何人も逮捕者を出している
悪質な霊感商法と通常の寄付行為を混同した佐藤優の主張は完全な誤りだ。
旧統一教会と癒着した自民党安倍派を擁護する為の牽強付会と見られるだろう


    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンド合併号を取り上げる予定、長短いずれもあって読者のリテラシーを試す内容。

▽ 「「81大学の奨学金全リスト」は実用的だが、日本経済の衰退を示すものでもある」と先週書いた通りだった

『週刊ダイヤモンド』2022年8/6・13合併号 (大学)


▽ 合併号をずらしてきた東洋経済、「税務署別 全国相続税 「課税割合」ランキング」が労作!

『週刊東洋経済』2022年8/13・2022年8/20合併号

サブ特集「検証 安倍政治とは何だったのか」は限りなく期待薄、インタビュー中心の弊害が濃厚だ。。
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