自分で採ったものを食べたいと思った。食べられるものを探して食べたい。
魚や鳥を獲るのはすぐには実行できない。私に今すぐ採れるものはやはり草しかないと思った。
我が家はわりかし山に近いところにある。山の入り口。比叡山に向かう登山道の始まりがあったりする。草木の多いところではある。
まず食べられる野草図鑑が必要だけれど、時刻は夕方、本を買いに行って野草探しをはじめたのでは夕飯に間に合わない。
とりあえず家を出た。以前たんぽぽの葉のサラダを食べたことがあったので、たんぽぽの葉が食べられることは知っている。たんぽぽなら簡単に見分けもつくので、今日は手始めに、たんぽぽのをおひたしか胡麻和えにしてみることにした。
草の生えているところ、道路脇など犬を散歩していそうなところは避けてたんぽぽを探す。もう今の時期は綿毛か綿毛を飛ばして茎だけになっている。一株から数枚、出来るだけ若い葉を摘んで歩く。
自信を持って見分けがつく草は限られている。ヨモギ、カラスノエンドウ、ハルジオンなど。
小学生の頃遠足で山に登ったとき、先生が、これイタドリっていう食べられる葉っぱと教えてくれたのに似てる葉を見つけた。イタドリの葉は酸っぱかった。そんな20年近く前の記憶をあてにするかと思いながらイタドリらしき葉を一枚摘んで齧ってみたらみたら酸っぱかった。ちゃんとした食べ方がわかったら食べたい。
二人分の小鉢になろう量のたんぽぽが収穫できた。
帰って葉をよく洗う。長い葉は半分に切ってさっと湯がいて、普段青菜を料理するのと同じようにおひたしにした。皿に盛り付ければその辺に生えてた草だとは思えない野菜の顔になった。
食べてみた。3回くらい噛んですぐに、ものすごく苦いことが分かった。
それは、野味あふれるというフォローでは収まらない、食べ辛いレベルの苦さ、薬の領域だった。たんぽぽサラダは生の葉だったけどこれほど苦くなかった。食用の食べやすいたんぽぽがあるのだろうか。とにかくこれはだめだと思った。
ネットで得られる情報から、シロツメクサは葉も花も食べられると知った。草地にはシロツメクサの茂る一帯があった。シロツメクサは癖がないとあるので、今度はシロツメクサを摘んできた。
人参を千切りにして茹で、シロツメクサの葉も入れて茹でて冷ます。
ごま油、醤油、酢、砂糖でナムルのような感じにしてみた。
味見をしたら、シロツメクサは苦くもなんともなく、癖のない三つ葉みないな感じだった。これなら食べられる。
近所にどういう草が生えているのか注目していると、思わぬところにレモンバームの群生地帯を見つけた。私の行動範囲全体はいま八百屋と化している。
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