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流出雑記 

ゆく年くる年

2012年01月07日 | Weblog

大晦日
掃除の詰。夕方、父が車で迎えに来てくれ、荷物と小梅を積んで宇治の実家へ。真ん中の妹は着物を着て平安神宮に出掛けていった。下の妹も同窓会で再会した男の子と会うのだとおめかしをして出掛けた。
母はキッチンで魚の切り身を薄切りにしている。鰤しゃぶだった。大根おろしを手伝う。
父、母、夫、私。紅白を流しながらコタツで鍋をつつく。母は福井の鰤ほどおいしくないと思うけどごめんなぁと言いながら出汁にくぐらせて白くなった鰤を自分以外の3人の器に入れてくれる。
実家の正月料理である牛すじの昆布巻き。父はこの昆布巻きとこの煮汁をかけたごはんがあれば正月は満ち足りるらしい。
大晦日だが味見と言って一本切って出された。祖母の代から同じ昆布屋の昆布を使っていたが、今年母がその店に買いに行ってみると昆布屋は店をたたんでしまっていた。それで別の昆布屋の昆布で初めて作ったので母は出来を心配していた。
炊いて1日目なので味がまだ少し浅い。試食した父はうまいと言ったが、醤油辛いのが好きなので、もう少し辛い方が好みやけどなと付け加えた。母は明日にはもうちょっと煮詰まるから今日はこんなもんやねんと言った。
年末にかけて仕事が立て込み馬車馬の如く働いていた夫はついに電池が切れ、深い眠りにつき、そのまま年を越した。
1月2日が誕生日の末の妹のバースデーケーキを作成する。
夜中に妹たちは帰ってきて、風呂に入って床につく。

元旦
4時頃布団に入り6時起床。
皆まだ眠っている。
母とふたりで伏見稲荷に行く。
母は伏見稲荷に祖母に頼まれたお札をもらいに行く用があり、ついていくことにした。

こんなに朝はやく初詣に出るのは初めてだった。電車で10分程で着く。
境内ではもう屋台があいていて、りんご飴の赤やパンパンに膨れた綿菓子袋のピンク、串刺しの鮎は整列した状態で炙られ、イカ焼きのにおいがただよってくる。
朝からジャンボ焼き鳥串なんて食べる人がいるのだろうか。
甘酒がないか見回した。

朝なので鬼のような人混みではなかったがそれなりに賑わっている。古いお札を納めて新しいのを買いに並ぶ。売り子の巫女さんが、お守りを一体、二体と言っていた。そう数えるのをはじめて知った。

おみくじを引いたら大吉だった。母は末吉。

母は帰りに狐の顔の形に焼いた煎餅と、ベビーカステラを買った。ベビーカステラのおっちゃん元ヤクザさんやと言う。左手の小指無かったそうだ。
帰宅して熱いお茶とベビーカステラをつまんだ。最近9時前に目が覚める夫も起きてきた。
ベビーカステラは思っていたよりもちっとしている。一粒毎に小指のことを思い出さざるを得なかった。

お膳の準備をし、皆を起こし、餅を焼く。私は断然白味噌贔屓だが、元旦のお雑煮は毎年多数派のおすましになる。

黒豆、梅の形の生麩、栗きんとん、ごまめ、煮しめ、昆布巻き、鰤の照り焼き。家で作るものと買ってきたお重が並ぶ。

一通り食べ終えて落ち着いたころ、はやくゴルフの打ちっ放しに行きたい父を引き止めて、コーヒーを入れ、ケーキを切って妹の誕生日を祝う。欲しいと言っていたカバンをプレゼントした。

夕方、福井に帰る。
京都駅で義父リクエストの千枚漬けなどを買い、サンダーバードに乗る。席がなかったのでドアのあたりにいた。敦賀を過ぎたあたりから雪景色。福井駅に近付くと雪はもう路肩に若干残っている程度だった。そういえば一昨年の大晦日は大雪だった。
駅まで兄と弟が迎えに来てくれ、車で家へ。
実家に着く。義母は台所で夕飯の支度をしてくれている。揚げ油の香ばしいにおいがする。2階に料理を運ぶ。おせち、お寿司、刺身、大きなエビフライ、鶏の丸焼きなどおいしいものがテーブルいっぱいに並ぶ。その中で義母の里芋の煮物がいちばんおいしかった。一度茹でこぼしてから水はほとんど入れずに炊くと聞いた。

福井には冬しか売らない羊かんがある。とらやのようなねっとりしたのでなく、寒天でゆるく固めたみずみずしい羊かん。
水分が多く痛み易いので冬場しか流通しないらしい。平たい容器にそのまま流し固められていて、好きなだけ付属のヘラで切って食べる。目の前にあるとすいすい食べてしまう。

夫の実家は2日が忙しい。
剣道の道場の初稽古があり、そのあとの新年会。
いちばん忙しいのは義母。
買い物から料理、片付けまで一手にこなす。これを毎年ひとりでと思うと、何かと用事の多い年末から年明けにかけてとんでもない労力である。さほど役に立たない嫁だが皿洗い係がひとりいれば少しは助けになるだろうか。

夜は義母にシフォンケーキの作り方を教えてもらった。過去3回、自分で作ったのは惨敗に終わっている
深夜の冷えた道場の片隅で冷まし、型から外すと見事な出来栄えだった。

義母おすすめのターシャテューダーのDVDを見た。庭がほしい思いが募る。2本あって全部観て風呂に入ると朝だった。

翌日は祖父の家に行き、夕方サンダーバードに乗って京都に戻った。譲り受ける予定だったシフォンの型を忘れてきた。


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