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流出雑記 

花嫁

2012年09月18日 | Weblog

真ん中の妹結婚式の朝。

昨夜の残りごはんを下の妹が握った塩結び、半日あまりまともに食べられない花嫁の朝食。

母と花嫁は先に家を出て、続いて下の妹を見送り、洗濯ものを干してから家を出た。今日はじめて黒留を着る。 持っていないので事前に選んで借りた。年齢的に華やかな柄にラメをあしらったものを勧められたが、どうも好まず、60代くらいの方の為に置いているという、かなり地味らしい鶴柄を選んだ。それでも私には地味に見えない。着なれた人でも黒留は自分で着つけられないと母が言っていたのがなぜであるか着つけられながらわかった。バランスのシビアさと着崩れるということがあってはならない正装なのだと襟元からにゅっと出ている首を見て思う。式場のホテルではなく徒歩10分ほどのところで着つけてもらったので、そこから歩いて向かう。おおよそミセスには見えない黒留姿のせいだろう視線を感じる。仮装じゃないです、礼装ですと思いながら歩く。当然歩幅がいつもより狭いので憶測より時間がかかった。

ホテルに着くと礼服の夫がロビーに迎えにきてくれた。髪もジェルで固まっている。親族控室にはもう親戚がそろっていた。日焼けしすぎてどうなるかと思っていたサッカーをしている下の妹もきれいにファンデーションでカバーされ、短い髪もアップに見えるようセットされていた。昨夜問題になっていた白くて浮きすぎるショールも馴染んでいた。アテンダーから声がかかり両家廊下に2列に並ぶ。このとき親族紹介はまだで、近いが微妙な距離感のまま神前式の部屋へ向かう。白無垢に綿帽子の妹と黒紋付の彼がいる。夫はそれを見ただけでちょっと涙腺ゆるんだという。

自分の時は緊張で神前式自体の事をあまり覚えていなかった。斎主が履いている爪先が丸い形の不思議な靴、神前に大根とキュウリ、人参、茄子などが供えられていることなど今回見て知った。ただ自分のときは巫女さんのうちの片方が新米だったらしく、要領を得てないことが傍目にもよくわかったが、今回の巫女さんふたりのシンクロ率の高さはすばらしかった。ただ片方はなぜかつけまつげをしていた。

三三九度、新郎誓いの言葉を読む、神前に玉串を捧げる。親族は何度か立ったり座ったりするが、祖父はその動作がすでに辛そうだった。今回会場内の移動は車椅子を借りることになり、下の妹が介助役をしている。

親族でお神酒を飲み干す。寿と書かれた赤い杯からお神酒に口をつけると香りが一瞬ふぁっと口の中に広がり、喉と胃を通ってそこが発熱するのが少量だからこそよくわかる。米からつくられたこの透明の液体が持っている品格とお神酒の意味を身を持って感じる。

披露宴は冒頭からカラフルな照明の演出があってまさかスモークたいてせり上がってくるんじゃなかろうなと一瞬ドキドキさせられた。

新郎の母の持ち物の赤い色打掛けはとても豪華で、よく似会っていた。お色直しの時は私と下の妹がエスコートに呼ばれた。ケーキカット、キャンドルサービス、友人のスピーチ、両親への手紙、敬老の日が近かったので祖父母へのプレゼントもあった。

プロフィールビデオの幼少期、子供だった私と妹たち、とても若い父と母。こんなだっただろうか。時間はいつのまに流れていたのだろう。結婚するなんて想像すらしなかった、未来への不安も何も感じなかった頃。なんにも心配せず笑って3人並んで布団に入っている。もう戻ってこないけれど、あの時間が家族にあり今に繋がっているということに、さみしさとありがたさが同時に込み上げる。そういう感動のど真ん中にちゃんと身を浸す。

夫は据え置きで撮っておこうと言いながらビデオカメラをまわしてくれたが、式場カメラマン経験があるせいでスタッフの動きを見ながら進行がわかるらしく、結局カメラを操ってクオリティーの高い記録ビデオを完成させてしまった。式の翌日新婚旅行に出かけたふたりが帰ってきたら喜ぶに違いない。


 

 

 

 


2012/9/15

2012年09月18日 | Weblog

起床。
この夏毎日飲んでいたかぼちゃジュースを今日も飲む。茹でて凍らせたかぼちゃ、豆乳、氷、スキムミルク、きび砂糖、シナモンをミキサーにかけたもの。

洗濯。掃除。玄関に水を打つ。 小麦、今日は荷物を出した黒いリュックの上で落ち着いている。猫は敷物が好きらしい。


昼夫帰宅。ネギ、ちくわ、辛唐、きゅうりの味噌漬け、卵入り冷蔵庫の中一掃チャーハン。この辛唐を切ったあと、しっかり手を洗わないまま目や鼻の下を擦ってしまうと痛い目にあう。料理には少量でも相当効く。来週から天使論福井公演で一週間ほど家をあけるため傷む材料を使い切りたい。あと玉ねぎとキムチ。

シャツ、ネクタイ、ベストにアイロン。きなこクッキー焼いておやつ。

ばらに薬。ディオレサンス、あたらしいつぼみをつけている。

夕方家を出て京都駅へ。
グランヴィアに泊まっている祖父母に会う。明日ここで結婚式を挙げる妹が祖父母に部屋をとっていた。14階の客室は見晴らしがよく、たいしたホテルを知らないけれど、今まで見たことのあるなかでいちばんハイグレードな部屋だった。祖父母もこんなホテルに泊まったことないと言い、テレビを付けるのにも手こずっている。チェックインの付き添いに来ていた母はエスプレッソマシンと格闘し、カップからコーヒーを溢れさせている。

母から聞いてはいたが、祖父はかなり痩せてしまっていた。胃ガンをして胃を切除して以来食が細くなったうえに、入れ歯を作り直しているとかで歯がなく、柔らかいものしか食べられず、暑さで食欲も低下し、いよいよ体力が落ちて動くのが億劫になり比例して筋力も落ちている。

若い頃は東映ニューフェイスを受けに行ったらどうだと言われたハンサムな祖父だが、今は骨格が際立って容姿より皮膚の下の骨が主張するようになった。母が祖父に寒くなったらこれ羽織りとバスローブを渡すが重そうだ。祖母は相変わらずころころで元気だった。弱っている祖父に根性が足りんからやと言い放つ。祖母のバイタリティを祖父に移植できればと心底思う。

母と祖母は夕食をとりに出て、祖父は外を出歩く体力がないので部屋に何か柔らかい食べものを買ってきてもらって食べる。

宇治の実家にいる明日花嫁になる妹のところへ行く。
妹たちは帰ってきた。花嫁妹はさっきしてもらったネイルが気に入らないらしく爪に着いた石をいじくっている。下の妹はサッカーから帰ってきて真っ黒に日焼けしていた。
夕食。最近母が注文しているらしい中華の下ごしらえ済み調理セット。仕事で帰りが遅い日がほとんどの母だが、出来合いのものを買ってくるより自分で火を通したものを食べる方がやはりいいようだ。調味料と材料を付いてるレシピ通りにやる。鶏と色どり野菜の炒め、ピーマン肉詰めフカヒレ風あんかけ、中華おこげスープ。片栗粉なども小分けして入っている。明日の主役は配膳準備、こんがりした方の妹と調理。出来た料理を並べるとこの手間と時間でこの品数できるとは、という豪華さだった。

こんがりした妹の今後数年の堅実な計画、明日嫁に行く妹の心境、母のはなし、父のはなしをした。

こんがりした妹が弾くギター、ウルフルズのバンザイに合わせて姉が踊るはなむけ。

こんがりした妹は明日の為にドレスを新調した。ピーコックグリーンのサテン地でコルセットのような編上げのバックススタイルが凝っている。百貨店で見立てたらしく仕立てもいい。ただショールが真っ白のひらひらオーガンジーでそれがあまりにとってつけたようで、おまけにその白さが黒い顔を一層引き立たせている。これはいかんと姉らで他のショールを合わせたりしてみたが、ドレスの雰囲気に見合うものがない。そのひらひらは1万円もしたらしく、せっかく買ったのに使わないのもあれだし、ヘアとメイクを美容室で頼むから今見てると浮いてるけど何とかなるよというところで決着した。こんがりした妹に青いネイルを施す。サッカーのキーパーだが、実は白魚のような指をしている。この手はずんぐりした指の姉らとも似ていないし、父でも母でもない誰かしらからの隔世遺伝である。花嫁は気に入らないネイルに数千円はたいたことをまだ悔しがっている。

母も帰宅し、明日は朝からそれぞれ支度があるので早めに床についた。