起床、洗濯。洗濯したかった。昨日買ったダウニーを使うため。洗濯機周辺が外国のにおいになった。
アボカドの見極めには自信がある。買ってその日に食べるか、翌日かによってのベストコンディションも外さない。ほしいときにベストなものがみつからないときはスーパーをはしごする。
伊丹十三のエッセイには食べ物についての解説がよく出てくる。スパゲッティーの正しい調理法とかフランスのパンの人生観が変わるおいしさとか。書かれた当時のスパゲッティーといえば喫茶店のナポリタンで、ヨーロッパ滞在歴のある伊丹十三にとって茹で過ぎの麺に追い討ちをかけるようにフライパンで火を入れた「いためうどん」はよほど堪え難かったらしい。エッセイのなかにアボカドの解説も出てくる。鰐梨。わになし。アボカドのことである。
「アヴォカードは西洋梨に似た形をしている。つまり、電球型とでもいおうか。皮は濃い緑色であるが、熟すに従って奇妙な黒色に近づく。肉は黄緑色である。アヴォカードは普通縦に二つに切ったその半分を一人前として出す。真ん中に大きな種があるが、これはもちろん刳り貫く。種を刳りぬいた穴へドレッシングを入れて出すわけだが、ドレッシングといってもたいがいオリーヴ・オイルにレモンと塩、胡椒といった簡単なものであるから、アヴォカードはまず料理以前の段階のものであると申せましょう。
アヴォカードの肉の味は、これはなんといったらいいのかねえ。チーズ?空豆?どうも違う。茹玉子の黄身の味にも似たところがある。ともかく、どう味わってみても乳製品という感じの奇妙な果物なのである。」
見たことも食べたこともないままこれを読んだら未知の食物アヴォカードにどれほど興味をそそられたことだろう。知っていて読んでも旨そうだし説明もうまい。
でそのアヴォカードを今日は縦に薄く切り、サンドイッチ用に切ったパンをトーストし、スライスオニオンとツナをマヨネーズで和えたのと一緒にはさむ。アボカド、ツナ、チーズを挟んだサンドイッチにラグナビーチメモリーという名前がついているのを、今まで別の店で3回見たことがある。由来が知りたい。食べたら眠くなって30分寝る。大量に夢を見る。
午後から「天使論」稽古。
夕方雷鳴。ちょうど帰るときに降り始め、本降りになる前にどうにか帰宅。
また眠気。30分寝る。起きて夕食準備。
下ごしらえは出来ていたのでみそ汁とサラダ作ってからあげ揚げるだけ。
もも肉2枚分下味がちょっと薄かったので塩つけて食べる。余る予定が余らず。
夕食後、居間に異様なものが走った。ムカデ。ゴキブリよりずっと恐ろしい。あれはちょっと手に負えない脅威的非日常的様態をしているではないか。夫が猫の爪研ぎ段ボールで何度もぶっ叩いてせん滅。固いのかしぶとい。完全に死んだ地点も判別し辛いので後処理も嫌である。夫、割り箸を3膳分輪ゴムでつないで長い長いムカデ菜箸を作り、それでつまみ上げ、外の排水溝に捨てた。
そして今また眠気。