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流出雑記 

2010/06/18

2010年06月18日 | Weblog
夏は1年のうちでいちばん仕事が多い時期。スケジュールを入れていくと6月後半から7月前半にかけてほぼ休みがない状態になっていた。

5時半起床
恐怖の奈良days始まる。
奈良の芸大で13日間、洋画の固定ポーズ。
年中行事のように梅雨のこの時期にこの仕事が入る。普段、早朝に起きる生活をしていないので、起きられるか不安で夜中2、3回目が覚めた。

初回の今日は衣装一式提げて行かねばならないので、夜のあいだ休まず屋根を叩いていた雨が朝までに降りきってくれることを願っていた。ただでさえ重いフラメンコの衣装。 普段着ならまだしもコスチュームの仕事はなんだか面倒で正直あまりしたくないが、選り好みしているほどの余裕はない。

雨はなんとかあがっていた。
地下鉄で京都駅へ。そこから約一時間、終点の橿原神宮までひたすら揺られて向かう。毎年と書いたが、去年はこの時期に公演が差し迫っていたので行かなかった。
2年ぶりに降りた駅、学校までの道のり。
駅前にあった不二家がなくなっている、改築している家、数年前から朽ちかけている長屋続きの一画は廃屋のまま尚も朽ちつつあった。犬の鳴き声が絶えなかったバラックのような処理施設は取り壊され、跡地の活用法が見当たらないらしい空き地の壁面に木の格子を立て掛けて鉢植えを一面に釣り下げている。


今日はクロッキーとポーズ決めで終わる。
そのあと大阪、茨木市に移動し、単発のクロッキー。

電車での移動時間はほとんど睡眠時間となる。

帰り着いて、ゆっくり料理をする時間と気力のない日は炒めものか丼もの。
今日は豚丼に温泉卵とキムチ、それとキャベツのお味噌汁。

サッカーを見ながらうとうとして、風呂に入ったあと突然、蛍の時期だからと深夜にバイクで八瀬まで行ってみた。
八瀬に蛍を見に来たことはなかったが、きれいな水と川辺の緑があり、いるはずという予感で。
叡電の駅前にバイクを止め、あたりを見渡すと、木の枝の先が点々と光っている。
低く飛んでいるのを捕まえると、黄緑がかった光が指の間から漏れる。蛍の浮遊するような飛びかたは、あの夢のような発光体にぴったりだ。
橋の上に立つと、昨日の雨で水かさを増した真っ暗な川のごうごういう音に飲まれそうになる。この流れでは蛍も流されるんじゃないかと言いながら、橋を渡ると池があり、打って変わってしんとしている。
池に近づくにつれて光の粒が増えていく。
立ち止まってみると、池のまわりの木々全体が同じテンポでゆったりと点滅している。ひとつひとつが全体になりその時を作っている、共鳴。
また来年もここに来たいと思った。