毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

目白の狸

2009年08月30日 17時42分43秒 | らくがき


 恋愛は交換ではなく贈与である。これがこないだのぼくの結論だった。で、人類そのものもかつては贈与によって生きることができていた。狩猟採集じゃないのか、それは贈与とは違うんじゃないか、と今の人たちは考えるかもしれない。しかし、昔の人たちは鮭や熊などの獲物は人間社会の外部に存在する、超越的世界からの贈与だと考えていた。つまり、その人たちにとっては、生きることができるのは贈与のおかげだったわけだ。
 贈与されたものだから、大切に食べ、たとえば鮭はきれいに食べた後骨を丁寧に葬った。
 向こう側からの贈与に対して、お返しはできそうもないからせめて自然を破壊せず、食べる物は大切に扱おうする思想の表れ。
 この考え方を近代になっても抱き文学を志したのが、中沢新一が指摘するように、宮沢賢治だった。自然の贈与を表現したのが「なめとこ山の熊」であり、その贈与に対して非対称的な態度を取る人間がどのような運命を迎えるのかを表現したのが「注文の多い料理店」であると思う。
 人間にとって最大の贈与は死であったと思う。
 なぜなら、それが人間を人間たらしめている最大のものであるからだ。
                 つづく と思う。
                 いや、だって、これだけじゃなんだかね。つづきます。
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湖畔のお宿

2009年08月28日 20時00分01秒 | 観光

 その湖畔に建つ宿はぼくたちのお気に入り。
 車を降りて宿に入ると、そこには別の時間が流れてる。
 アンチークなインテリア。室内プール。



 夕食前には、プールで一泳ぎ。食前酒代わりにプールサイドでビールを飲む。
 気怠く過ぎてく、ちょっと遅い夏休み。



 そして、なにより食事が美味しい。オードブルから始まって、スープ、魚、肉、デザートをワインと一緒にゆっくり楽しむ。写真はスズキのポワレ。魚の下にソースと一緒に野菜が入っていて格別。ソースを上からかけちゃうと皮のパリパリ感がなくなるからこれ、大正解。
 黒い模様はバルサミコ。奥のほおずきみたいなのはプチトマト。熱を加えて甘さを出した上、皮を逆に剥いてほおずきみたいな形にしてる。すべてがこの調子で手の込んだ料理が出てくる。



 部屋にあった3つの知恵の輪、全部解いてチェックアウト。
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この数枚の写真が夏の小旅の要約だったりするという策略 最終回

2009年08月27日 21時05分37秒 | らくがき


 結局のところ恋愛はメニュウのないレストランでもないし、そこにはキス何回で何かをしなければならないなどという交換レートなども存在しない。
 むしろ、恋愛にとって交換という概念自体がなじまないものだ。
 恋愛において重要なファクターは交換ではなく、贈与である。
 バブル期に見られた(しかし残念ながらぼくの周囲にはなかったのだけれど)男が女の子にプレゼントをしていたあれは贈与ではなく、交換だった。しかも、決して上品とは言えない交換だったと思う。
 結局人は恋愛に見返りを期待すべきではないのだ。与えることのみを望むべきだ。「恋愛が何をしてくれるのではなく、われわれが恋愛のために何ができるかを考えるべきだ」とケネディ大統領も言ってるじゃないか。
 ちょっと違うか。
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らくがき4部作 巻3

2009年08月27日 16時18分13秒 | らくがき


 しかし、だからといって、全国的にキス3回でお母さん面談などの公式レートが定められても困る。
 お母さんに会った瞬間、「この二人はキスを3回したのね」とデート内容がばればれだ。
 「いつ知り合ったの?」
 「ええ、先週の文化祭で」
 知り合って1週間でキス3回? 早いんじゃないの、それ、とお母さんは思うかもしれない。
 それより何よりお父さんと会うときは、それよりハードな所業ののちであり、それが会った瞬間にバレるのだ。
 おおいに困る。
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祖母面談

2009年08月26日 21時11分58秒 | らくがき


 キス1回でお父さん面談はどうだろう?
 せめてキス3回でお母さん面談あたりから始めさせて欲しい。
 この願いは尊大だろうか?
 欲張りだろうか?
 なんだったらお母さんではなく、祖母でも構わない。
 何か神秘的なことを言う祖母なんて面白いな。
 ぼくの目をじっと見据え、両手をとって彼女の祖母は言う。
 「裏山の祠に龍を封じたお札がある」
 「もう、お婆ちゃんたら」
 「これは大事なことなんじゃ」きっ、とした口調でお婆ちゃんは言うかもしれない。「いいか、今こそその封印を解くときじゃ」
 いいな、それ。
 そういう祖母をお持ちの方のご連絡待ってます。

 写真は扇町駅の猫。すっごく人なつこいんだよ。カメラ目線くれるし。普通の飼い猫なんかよりここの猫たちはなつこい。
 
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年をとってよかった

2009年08月26日 11時05分42秒 | らくがき


 旅に出るといろんなことを思い出す。
 いつだったか、女の子とキスをしたあと、「お父さんに会って」と言われ、冷や汗が出たことがあった。
 キスする前に言って欲しい、わたしとキスするのはハードルが高いことなのだ、と。お父さんまで出張ってくるほどのことなのだと宣言しておいて欲しい。紙に書いて貼っておいて欲しい。
 メニュウのないレストランで食事をして高額請求されたような感じだ。
 でも、この年になると、キスをしてもお父さん面談は要求されないだろう。
 年をとってよかった。
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熱海

2009年08月25日 15時10分45秒 | 観光
 東海道線を途中下車しながら熱海へ。
 去年はこの道中で清水まで出かけたものだ、サッカーを見に。


 人がまるでゴミのようだ、などとムスカ大佐のような感想を抱く。




 人生最初に最後でやったスマートボール。それがここ。
 友人の別荘を訪れたとき、ここで遊んだ。
 このうらぶれた雰囲気がとてもよかったのだけれど、店は閉鎖されていた。すべてが束の間の存在であることは理解しているけれどさ、われわれはあまりにも束の間の存在でありすぎるのではないか、と、「なしくずしの死」を人生の午後に至って痛感するのだ。
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湯河原

2009年08月22日 10時12分52秒 | らくがき


 どのように触れ合えと?
 地べたにほおずりかい?
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根府川

2009年08月21日 15時59分04秒 | 観光
 どこに行くあてもなく、逗子から漫然と東海道線に乗る。
 東海道線はなかなか車窓の風景が素敵だ。
 根府川の風景がよかったので、ここで途中下車。こういうのが好き。
 これは東海道線の便の良さにも関係する。だって、15分に1本来るんだもの。これが1本逃したら3時間来ないような路線だったら、このような無計画な旅はできませぬ。







 変な話だけれど、この辺におじいちゃんが住んでたら、楽しかっただろうなあ。夏になると、ここに来るんだ。おじいちゃんと釣りをしたり、浜焼きをしたり。
 あ、でも、ここに住むんじゃなくて、おじいちゃんちってとこが、少し卑怯か。
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逗子

2009年08月19日 17時26分49秒 | 観光
 東の外房に続き、今度は西の湘南。
 多くの人もそうかもしれないが、ぼくにとって外房=漁師、湘南=ヨット、であり、そして多くの人がそうかどうかはわからないけれど、ぼくにとってどっちに親近感を覚えるかといえば漁師>ヨットだ。
 それでもウォークマンで「狂った果実」を聴きながら、駅から海まで歩く。あの映画の中で、津川雅彦と石原裕次郎がケンカした相手って、長門裕之と石原慎太郎なんだよね。あれ、なんで沢村アキヲが出てるんだと思ってしまった(って、おい)。





 でも、湘南に一度も訪れたことがないってわけじゃない。
 そりゃ、来ましたよ。ええ、確かに来ましたって。馬鹿みたいに134号線の渋滞にもはまりましたよ、そりゃ。
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館山

2009年08月18日 13時59分49秒 | 観光
 御宿を特徴づける2つのキーワードがある。月の砂漠とサン・フランシスコ号。
 どちらも町の誇りとして伝えられてる。
 さて、御宿から外房線で館山に。千葉の海にはよく行っていたのに、御宿、館山、実は初訪問。いいじゃん、南房総って。


 御宿と打って変わって、静かな海。



 奥が駅。駅から海までのこの通りはレンガ色の屋根で建物が統一されている。
 晴れてたら、もっと映えるんだろうけれど、ちょこっと地中海風。
 いざ生きめやも、などと呟いてヴァレリー気分を演出してみたりする。


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夏休みの終わり

2009年08月17日 19時29分05秒 | 写真
荒川沿いには上半身裸で歩いたり自転車に乗ってるオヤジが多数出没する。陽ざしが強いから、帽子を被っている。
シャーロット・ランプリング気取りか。
ぜひ、「愛の嵐」を見て、上半身裸で帽子を被るということがどのような行為であるのかをはっきり認識して頂きたい。


 午後、荒川サイクリングロードの空。
 もう、すでに早くも雲は秋の雲。
 たいへいくんと一緒にずいぶん、抵抗したんだ。夏はまだ終わらない、と。
 なんだろう、夏の終わりはいつだって寂しいのに、今年の夏は特別寂しい。
 年齢を重ねたせいか、どうしようもない一回性を強く感じてしまう。
 すべての夏は取り返しのつかない夏だったのに、若い頃はいつもそのことを忘れていた。
 興味のない高校野球でさえ、その夏の強烈な一回性に感情移入してしまいそうだ。
 青春というものはその価値を理解できない期間だけに存在し、しかし認識においては回顧の中にしか存在しない、魅惑溢れるくせに、きわめて残酷なものなのだ。
 45歳でようやく目覚めたのか、そんなこと。その事実の方が驚きだよ、ったく。


 夕方、調布の空。
 味の素スタジアムでサッカー観戦。
 大きな声援。
 繰り広げられる試合。
 緑のきれいな芝生。
 冷たい生ビール。
 極楽。
 いろいろ議論はあるけれど、真夏のサッカー観戦もいいよ、犬飼くん。
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がんばれ、たいへいくん

2009年08月17日 16時12分05秒 | らくがき
夏休み最終日、夕方からサッカーを見に行くので軽く80kmほど走る。
この暑さなのに、なんと北風。太平洋高気圧の影響で南風になるはずなのに。どうしちゃったんだ、太平洋高気圧。
「ごめんよ。なんとか晴れ間は作れたんだけれど、南風までは力が及ばなくて。ごほごほ」
咳き込みながら、太平洋高気圧が弱々しく言った。
「たいへいくん!」
「ぼく、もうだめかもしれない」
「しっかりするんだ、たいへいくん」
「短い夏だったけど、楽しかったよ。ごほごほ」
「まだ秋は来ないよ。大丈夫だよ」
「きみと過ごした42年の夏は忘れない………」がくっ
「たいへいくん………きみ、ジェニファー・オニールのファンだったのかい」
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将軍殺し

2009年08月17日 12時37分20秒 | 観光
 夏休み明け最初の仕事が倉庫からの出荷。近くにあるのでぷらぷら歩く。
 ここら辺はぼくの小学校の頃の学区。よく遊びに行った赤木くんの家もある。赤木くんちはお金持ちで、彼の部屋にはわれわれの垂涎の的であったサンダーバード基地や鉄道のジオラマやら、さまざまなものがあった。
 赤木くんのおかげでぼくはぼくなりのお金持ち定義を身につけた。
 ぼくにお金持ちと認められたければ、次の2つの存在が必要である(しかし、ぼくなんかに認められたいとわざわざ思うお金持ちは、すでにその段階でお金持ちではないような気がする)。
 さて、そのひとつは勝手口の存在である。かつては普通のサラリーマン世帯であったさざえさんちにもある勝手口であるが、現代においてもこれをはずすわけにはいかない。いや、むしろ希少価値という点で、まさにお金持ちにふさわしいステータス出入り口と言ってもいい。「うちには勝手口あるよ。そのかわり玄関ないけど」というのはなし。
 もうひとつは他人の存在である。お金持ちの家には、血の繋がりのない他人が住んでいる。書生でも女中でも執事でもお抱え運転手でもかまわない。失踪したお姉さんの子どもというのは血の繋がりがあるからだめ。3番目の子と5番目の子は血が繋がってないけど………という事情も考慮しません。
 赤木くんちにはどちらもあった。あるとき、赤木くんは、何気ない顔をして、「うちってさ、むかし将軍殺しちゃったから、名字から公って字をはずしたんだ」と話した。
 将軍、殺す。小学生にとってその2語は2語ともとんでもなく非日常的な言葉だった。一瞬何を言っているのかわからなかった。
「だから、昔は赤松って名字だったんだって」
 あー、知ってるぞ、それ、こないだ社会の時間に見たテレヴィでやってたぞ。赤松なんとかって、室町時代に将軍殺したよな、赤木くんちって室町時代から延々歴史背負ってるんだ。
 感心した。さきほどのお金持ちの定義に、もう一つ歴史を加えたいところだが、まあ、二つだけで勘弁してやろう。
 赤木くん、今何してるんだろう? 将軍殺そうと計画してたりしてないだろうか。
 ま、今の日本に将軍などいないから杞憂であるのだけれど。
 はっ、松平健。
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御宿

2009年08月15日 07時44分57秒 | 写真
 夏の小旅はまだまだ続きます。
 外房の海は波が荒くて、大好きです。


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