毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

冬の北陸旅行大作戦(2)

2020年02月15日 22時27分44秒 | 観光
 富山で一泊。何が目的で旅をするのかと言えば、それは充電。疲れた自分を充電したい、とかそういう比喩的な意味合い一切なく、文字通り電子機器への充電。乾ききった電子機器が音をたてて電気を吸い込むさまを見ていると「ああ、この子を生んでよかった。産みの苦しみも報われた」としみじみ実感するほどです(きみはなにもの?)。 さあ、iPhoneやらWi-Fiやら持ってるさまざまなもののお腹をいっぱいにして、まずは富山市ガラス美術館目指します。富山駅から路面電車もあるのですが、知らない街を歩いてみたい、どこか遠くに行きたいで育った世代ですのでは知らない街を歩いてみます。


 富山の街、何がすごいかって、「こらー!」って言うが感じで街に北アルプスが迫ってくるヴィジュアル。振り返るとどんどん近づいてるんじゃないかって思うほど。


 富山駅から20分ほど歩いて富山市ガラス美術館へ。いま流行りの隈研吾設計の美術館。美術館だけじゃなく、図書館なども併設されていて、これは富山の人たちおしゃれな余暇を楽しめそう。天井も広くて開放感があって、ガラス美術館の側面に沿って美術品も飾られ、あんたたちどれだけ格好いい空間で休日を過ごしてるんだ、と嫉妬の炎。
 ここで「リノ・タリアピエトラ ライフ・イン・グラス」を鑑賞。なんという自由で美しいガラス造形! とくに「マンダラ」や「アフリカ」と名付けられた一連の作品に目を奪われます。
 さらに常設の「グラス・アート・ガーデン」でのデイル・チフーリはこれまた別世界の造形で見せている空間ともあいまって素晴らしい世界をなしていました。部屋に入った途端、なんだろう、この身体ごと持っていかれる感じ、あ、これはDIC川村記念美術館のロスコールームで味わった感じ、方向性はまったく違うんだけれど、この別世界感は本当にすばらしい。どちらも撮影可なのですが、SNSなどへのアップ禁止なので写真は自粛。でも、ほんと、どちらも素晴らしかった!


 ガラス美術館から富山駅まで歩いてきたのだから歩いて帰ってもいいのですが、ここはわざわざ市電に乗りたい。市電のある街、それはいい街。
 富山駅から「あいの風とやま鉄道」で入善駅へ。お、どうした富山。石川県の第三セクター鉄道が「IRいしかわ鉄道」という平常心のあるクールなネーミングだったのに対し、いきなり来ました、キラキラネーム。富山は素敵な場所なのだけれど、空港名が「富山きときと空港」だったり目が離せません。


 しかし、その車窓からの見事な景色。左に日本海、右に北アルプスを眼下におさめても、列車はそんな景色に目もくれません、穏やかに日常的な感じに進んでいきます。これはこれでクール。車内のぼくは、一人旅なのに、「おおっ」だの「ややっ」だの思わず声を挙げて写真を撮ったりします。富山、本当に素敵。
 
 入善駅で降りてここで入善町下山芸術の森発電所美術館へ。往復徒歩2時間近くを覚悟して行ったのですが、なんと現地は降雪ゼロ。これはもしかしたらレンタル自転車が借りられるかも、と観光案内所へ。そして見事自転車を手に入れたわたくし。旅って不思議。どんなに準備しても裏切られることがあったり、覚悟してたら思わぬ幸運に恵まれたり。自転車さえ手に入ればこちらのもんです。わたしゃ、東京から軽井沢まで自転車こいでいく人間ですので。


 発電所美術館の外観。大正時代に建てられた水力発電所を美術館に改修した建物なのでまだ導水管が残っていたりします。こういうのたまらない。


 美術館の館内まで導水管があるんですよ! 「危険なので中に入らないでください」とかの注意書きもあるんですよ! すごくないですか? もうあなたの手の届く範囲に異界への入口があるんですよ。ここで、こんな素敵な場所で「藤原隆洋 Somewhere」を観ました。素晴らしく大規模なインスタレーション。見惚れました。
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冬の北陸旅行大作戦(1)

2020年02月04日 22時43分28秒 | 観光
冬の北陸美術館旅行。飛行機で小松空港へ行き、金沢の石川県立歴史博物館を見物、その後富山に移動して富山県美術館。一泊して翌日は富山市ガラス美術館、入善町下山芸術の森発電所美術館、そして糸魚川から新幹線で帰ります。なんだか団体観光旅行のような行程で石川、富山、新潟、3県を股にかける慌ただしい旅。貧乏性の人間が企画するとこういう旅行になりがちです。


 羽田から小松に飛ぶと、窓から目を離せない山の景色が続きます。南アルプスの白根三山。日本で2番めに高い北岳、間ノ岳、それから西農鳥、農鳥岳が続きます。以前、あれを歩き通したんだと感慨再びです。小松空港に着いてバスで金沢へ。


金沢の語源とされる「金城霊沢」。伝説では芋掘り藤五郎が芋についた砂金をここで洗ったことからここが「金洗沢」と名付けられ、それが金沢になった、と。真偽は知りません。


 石川県立歴史博物館。ぼくにとっては最後の2室がたいへん興味深かった。石川県の民間信仰や祭りをヴィジュアルで見せてくれます。最後の部屋は祭りを3面の映像、迫力ある音で再現してくれて、これはぜひとも現地でみたいとそんな気にさせてくれます。今年は珠洲で奥能登国際芸術祭が開かれるので、それに合わせて須須神社のキリコ祭りを見に行こうかと早くも秋の計画です。気が早いというより、航空券は早く買った方が安い、という貧乏根性であったりします。

金沢からIRいしかわ鉄道で約1時間、富山へ。地方の第3セクター鉄道って、ヤンキーキラキラネームっぽいのが多い中(あと地方空港も)、そんな中でIRいしかわ鉄道、わりとすんなりすっきりした名前です。さすが石高ミリオン。


富山県美術館は、前身があれだろ? あの図録焼いちゃったとこだろ? 的なことはおいといて、瀧口修造の部屋が大変好みでありました。美しい小宇宙。シュルレアリストのレアルの美しさ。


ここで一泊。浦島太郎気分で海のおいしいもの食べて、酒飲んで富山で陽気に過ごします。
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