毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

雲取山

2015年11月28日 08時54分19秒 | 観光
 ギリギリだと思ったんです、もうこれ以上先だと凍死してしまうんじゃないか、と。テントを担いで山に登る最後の機会、それがいま。
 現実は常にぼくの目論見や期待を裏切って、いや、裏切るというより意に介せず進んでいきます。
 そんな山行でした、東京、埼玉、山梨にまたがる東京最高峰雲取山。
 ええ、ふもとの紅葉はきれいでした。




 そうそう、 いつも使っていたSONYのα77ですが、いい加減荷物が重くて今回はα6000というミラーレスカメラを持参にしました。それにしてもテントに寝袋、食糧、水と重い重い。


 重い足取り、曇った表情、早々と暮れてゆく11月の空。なんでしょう、このマイナスな気持は。4時頃には太陽も早じまい。
 そんなぼくの気持を盛り上げてくれたのが富士山。いやあ、富士山、いい。登ろうとは思わないけど。だって、富士山登ったら富士山見えないもん。ポケモンジェットと一緒。あれは見てて楽しいわけで、ポケモンジェット乗っちゃったらポケモン塗装見えないもん。別に隣にポケモン座ってるわけじゃないし。

 富士山、よし。

 
 一日目に雲取山に登るのは諦め、ここを本日のキャンプ地とする宣言。


 夕方から次第にあたり一面霧が立ち込めてきて、なんだかファンタジー。というか、これ、雲? 夜、ランタンに照らされた自分の影が地面から空へ伸びていってリアル版進撃の巨人。猛烈な寒さだけれど、山の中の暗闇が楽しくてしばらくうろついてみます。


 山の暗闇とテントの灯り。まるで宇宙の闇とひとつの灯りが一対一対応をしているような気さえ起こってきます。そこに人がいることを証すひとつの灯り、一人の人間そのものが宇宙と一対一に向かい合ってる。命、超重い。
 しみじみそんなことを考えたりしながら寝についたのが夜の9時。早いけれど、やることないし、外は凍えるし、寝袋に入ります。すこしウトウトしかけたところに襲いかかる寒波。持参した暖パン、トレーナー、ダウンベスト、アウターシェルまで着込んでも寒い寒い寒い。眠りかけては寒さに目覚め眠りかけては、まだ11時かあ、と時間を確かめては朝まで続く寒さとの戦いの長さにおののき、そして眠りかけては寒さに目覚め眠りかけては、まだ12時かあ、と……
 2000m近くの山の中で過ごす最後の機会はずっと前に過ぎていました。

 ほとんど眠りらしい眠りをとることもなく翌朝5時まだ暗い中、テントを畳み、雲取山山頂を目指します。雲取山山頂2017m。


 これで引き返せばいいものをせっかく来たのだからと、秩父側へ。ずっと下りかと思いきや、下り基調の中、白岩山、前白岩山、霧藻ヶ峰など、ところどころ立ちふさがる登り返し。ほとんど寝ていない身に容赦なく襲いかかります。


 霧に包まれる尾根道。


 身にしみる結構なアップダウン。


 三峰神社到着。
 疲れた割に筋肉痛もなく、すべては寒さと寝不足との戦いだったのだ、と。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする