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さあ、ここはどこで、そして私は何をしようとしているのでしょうか。
ことの起こりは私の請求ミス。1点落としてしまったのです。説明が面倒なのでなんでそんな額なのかはは省きますが、その1点、金額にして192円。いりません、と言いましたが、もちろん会社ですからそんなことは通りません。締めが迫っているので、訂正して持ってこい、と。片道190円の運賃と時間費やして持ってこい、と。
やってらんねえ、と代々木にある得意先を通り越して恵比寿に。
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限定エール。うまい。昼間っから一杯ひっかけなきゃやってらんねえ、と。
ぼくの一番好きなビールはバスのペールエール。上面発酵独特のコクに、下面発酵っぽい苦みが嬉しいビールだ。いいとこどり。
この恵比寿限定エールもフルーティーでまた味わい軽く、それでいてコクもそこそこ、なかなか楽しめる。
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ガーデンプレイスの中を通って恵比寿駅へ向かう。「ソニー・スティットかよ」と突っ込みを入れる。ああ、しかし、確かに名盤だ。白黒の足の写真も秀逸だった。JAZZのレコードにはジャケットがイカしてるもんが多い。ぼくが初めて「アート」という言葉を意識したのも、池田満寿夫の絵をジャケットに使ったマイルス・デイビスの「1958マイルス」というLPを見た中二のときだった。CDになって絵が小さくなってしまったし、今のネット配信にいたってはジャケットという概念そのものが消滅しようとしている。
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駅についたものの、ふと時計を見ると12時ちょい過ぎ。昼休みじゃん。だめじゃん。
駅のこちら側に降りてきて、火の用心の恵比寿さんとご対面。うちの町内は下町なので今でも火の番が「火のよーじん。ちょんちょん」と拍子木を打ちながら夜町内を回る。江戸時代かよ、と思いつつ、子どもたちがこれを耳にするって結構貴重かもしれないなと。10年後、彼らが大人になったとき、そういや子どもの頃火の用心が回ってた、と同僚などに言ったらウケるんじゃないか。江戸かよ、と。
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どうせ時間つぶさなきゃならないんだったら、恵比寿から代々木までぶらぶら歩いて行こう、と渋谷着。真ん中を流れる(淀んでるだけだ)川は渋谷川。「春の小川はさらさら行くよ」の歌はこの川の支流河骨川を歌ったものらしいが、もちろん面影などどこにもない。だいたいさらさら行ってないし。
落語に「おかめ団子」ってあって、麻布へ大根売りに来るやつがいるんだけど、演者はいかにも田舎者ですって感じで変ななまりのある言葉で演じる。でも、その大根売りって中目から来てるんだよね。中目っすよ、中目。この感覚は関西の人で言うと、上方落語の「池田の猪買い」だな。大阪の池田で猪猟。米朝でも枝雀でも猟師は思いっきりなまって演じられてる。
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表参道。
アイルランド国旗が掲げられているのを見て、ああ、聖パトリック・デイってそろそろだ、とようやく気付く。3月は仕事が忙しくて、季節感を喪失してしまってる。緑のセーターでも着て、またパレードに参加したいな、ああ、あの頃はよかった、それなのに今年の3月のこの殺人的な忙しさは何? T.S.エリオットは一月間違えてる。残酷なのは3月だ。そしてそんな風にぼやきながら、昼からビール飲んでいる私の精神性っていったい。
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代々木着。
そして気づく。そうだ、代々木なんだから金魚で時間つぶしてりゃよかったじゃないか、と。あ、でも、男一人で金魚でビールってえのも絵になんないな。やっぱり麦酒記念館がちょうど間尺に合ってる。
そんなわけで忙しい3月を迎え、七転八倒しております。
しばらく仕事に没頭しようか、と思い、3月の更新は今日でおしまいにします。
4月に生き残っていたら、またお会い致しましょう。
それでは、また!