毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

恵比寿~代々木 お散歩

2009年03月05日 21時02分54秒 | 観光

 さあ、ここはどこで、そして私は何をしようとしているのでしょうか。
 ことの起こりは私の請求ミス。1点落としてしまったのです。説明が面倒なのでなんでそんな額なのかはは省きますが、その1点、金額にして192円。いりません、と言いましたが、もちろん会社ですからそんなことは通りません。締めが迫っているので、訂正して持ってこい、と。片道190円の運賃と時間費やして持ってこい、と。
 やってらんねえ、と代々木にある得意先を通り越して恵比寿に。


 限定エール。うまい。昼間っから一杯ひっかけなきゃやってらんねえ、と。
 ぼくの一番好きなビールはバスのペールエール。上面発酵独特のコクに、下面発酵っぽい苦みが嬉しいビールだ。いいとこどり。
 この恵比寿限定エールもフルーティーでまた味わい軽く、それでいてコクもそこそこ、なかなか楽しめる。


 ガーデンプレイスの中を通って恵比寿駅へ向かう。「ソニー・スティットかよ」と突っ込みを入れる。ああ、しかし、確かに名盤だ。白黒の足の写真も秀逸だった。JAZZのレコードにはジャケットがイカしてるもんが多い。ぼくが初めて「アート」という言葉を意識したのも、池田満寿夫の絵をジャケットに使ったマイルス・デイビスの「1958マイルス」というLPを見た中二のときだった。CDになって絵が小さくなってしまったし、今のネット配信にいたってはジャケットという概念そのものが消滅しようとしている。


 駅についたものの、ふと時計を見ると12時ちょい過ぎ。昼休みじゃん。だめじゃん。
 駅のこちら側に降りてきて、火の用心の恵比寿さんとご対面。うちの町内は下町なので今でも火の番が「火のよーじん。ちょんちょん」と拍子木を打ちながら夜町内を回る。江戸時代かよ、と思いつつ、子どもたちがこれを耳にするって結構貴重かもしれないなと。10年後、彼らが大人になったとき、そういや子どもの頃火の用心が回ってた、と同僚などに言ったらウケるんじゃないか。江戸かよ、と。


 どうせ時間つぶさなきゃならないんだったら、恵比寿から代々木までぶらぶら歩いて行こう、と渋谷着。真ん中を流れる(淀んでるだけだ)川は渋谷川。「春の小川はさらさら行くよ」の歌はこの川の支流河骨川を歌ったものらしいが、もちろん面影などどこにもない。だいたいさらさら行ってないし。
 落語に「おかめ団子」ってあって、麻布へ大根売りに来るやつがいるんだけど、演者はいかにも田舎者ですって感じで変ななまりのある言葉で演じる。でも、その大根売りって中目から来てるんだよね。中目っすよ、中目。この感覚は関西の人で言うと、上方落語の「池田の猪買い」だな。大阪の池田で猪猟。米朝でも枝雀でも猟師は思いっきりなまって演じられてる。


 表参道。
 アイルランド国旗が掲げられているのを見て、ああ、聖パトリック・デイってそろそろだ、とようやく気付く。3月は仕事が忙しくて、季節感を喪失してしまってる。緑のセーターでも着て、またパレードに参加したいな、ああ、あの頃はよかった、それなのに今年の3月のこの殺人的な忙しさは何? T.S.エリオットは一月間違えてる。残酷なのは3月だ。そしてそんな風にぼやきながら、昼からビール飲んでいる私の精神性っていったい。


 代々木着。
 そして気づく。そうだ、代々木なんだから金魚で時間つぶしてりゃよかったじゃないか、と。あ、でも、男一人で金魚でビールってえのも絵になんないな。やっぱり麦酒記念館がちょうど間尺に合ってる。

 そんなわけで忙しい3月を迎え、七転八倒しております。
 しばらく仕事に没頭しようか、と思い、3月の更新は今日でおしまいにします。
 4月に生き残っていたら、またお会い致しましょう。
 それでは、また!
コメント (2)
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週末リハビリ

2009年03月02日 11時54分34秒 | らくがき
 前回までのあらすじ
 荒川~入間川~多摩川を経由して、東京近郊ぐるっと一周サイクリング計画は右膝の反逆によって挫折してしまった。東京から川越、狭山、入間、青梅を経て川崎に至るおよそ140kmの旅は青梅からさほど遠くない秋川で終焉を迎えたのであった。
 そして、一週間後、もくもくと荒川を北上する一人の中年が目撃されたことから今回の話は始まるのであった。


 右膝をかばいつつ逆風の中ペダルを回す。

 なんだかアフリカのサバンナのような景色なんだけれど、冬の空のせいで陰惨な印象。木だってマンドリルが群がるイメージではなく、首つりっぽい。ここはサイクリングロードの迂回路。いつになったら工事は終わるのだろう。
 前回同様、入間大橋から入間川サイクリングロードへ入る。


 陰惨な荒川に比べて、日差しが出てきたせいもあって入間川は少し春めいてきた。
 前回脚がどうにも回らなくなってコンビニ休憩した50km地点をらくらく通過。「けっ」などと毒づいてみる。「お前なんかの助けはいらないんだよ」などとサイクリングロード上からは見えないコンビニにことさら人とかく雨やんで傘忘る的発言を繰り出してみる。
 今日のぼくは先週のヘタレとは違う。背中に羽が生えているようだ、だいぶボロボロだけど。金子光晴を嘆かしめた動物園のダチョウのようだけど。
 入間川サイクリングロード終点で昼食。一徹屋という。何頼んでいいのか迷った上(定食が豊富なのだけれど、麺喰いのわたくしは麺一本っす)、塩ラーメンを注文。食す。


 毎週日曜日、ひとりラーメンを食べる44歳児。どことなく悲しげな風情がいたたまれない。味はふつう。そこそこ。残念。
 ここからは一般道。地図はないが、コンパスを頼りにとにかく西南に向かう。コンパス偉大。No.1。17kmで多摩川着。


 多摩川サイクリングロード。なんだか、シューベルトの「魔王」を連想させる風景だ。
 しばらくすると、先週痛んだ右膝をかばってたせいか、あいつばっかずるいや、と左脚が口をとがらせてふくらはぎに違和感を訴え始めた。ここから50km走れば終点、多摩川河口、東京湾に達するのである。海に向かってバカヤローなどと叫んだりして、先週のヘタレをここで挽回するとともに過ぎ去った青春を懐かしんだりするのである。
 しかし左脚の不平不満はいよいよつのり、ふくらはぎに加えて、膝もシクシク痛み出した。20km進んで、残り30kmというところになって、潔く撤退。あと1時間以上、痛い脚でこぎ続けるモチベーションが湧かない。
 結局南多摩駅から電車に乗って帰る。南武線初乗車。今日の走行距離はたったの110km。なんでこんなにヘタレになっちまったんだよ、アニキ(って、誰よ?)。
コメント
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