利根運河から利根川に入るものの、鬼怒川は利根川の北側。つまり、利根川を渡らないと行けないわけなのだけれど、橋がない。ぼくはさ、マーケットガーデン作戦のアメリカ軍じゃないんだから、渡河するわけにはいかないのよ。で、橋を探す。文字とおり遠すぎた橋。結局12km以上迂回して鬼怒川近くへ。
ここで、大イリュージョン。鬼怒川の河川敷探して走ってたら、はい、土手上のサイクリングロード発見。ほくほくして走ろうと近寄ると、「小貝川」との標識。へい、ジョージ、こいつったら間違ってるぜ、HAHA。負け惜しみであることは自分でもわかってる。ぼくはかなりの実力派方向音痴。国土交通省の標識と俺とどちらが信頼できるかは誰にでもすぐわかる。すげえなあ、自分でも感心する。鬼怒川のすぐそこまで行っていながら、河川敷探している内に別の川に来てしまう。大イリュージョニストだよ、だって、狐につままれたみたいだもの。
かなり大きな音をたてて心が折れたのに気づきつつも、道を戻り鬼怒川を探します。はい、鬼怒川ありました。サイクリングロードもあります。やっぱり戻ってきて正解。気持よくしゃんしゃん走っていると、なんだか雲行きが怪しい。気候ではなく、道が。
おいおい、さっきまでの整備されたサイクリングロードはどうなってしまったんだ?
なんだか、いきなり不機嫌になる彼女に振り回される気持ちがする。
「さっきまであんなに機嫌よかったじゃないか?」
「なに? さっきまで機嫌よかったら一生ニコニコしてなきゃなんないわけ?」
「いや、なんで、急に怒り出したのかわからないって言ってんだよ」
「根本はね、その理由がわからないっていうあなたのにぶさがすべての原因」
「それ、原因と結果の論理レベルが一つ違う」
「ちがわないわよ。ああ、もう、そういうとこがほんとイヤ、わたしは論理レベルの話をしてんじゃないの。わたしはね、感情で生きてんのよ」
「それはそうなんだけど、さっきの説明だと、なんだかよく…」
「だからそれはあなたがにぶいから。いい? に・ぶ・い・から。わかる?」
みたいな鬼怒川。原因不明で、そして突発的な怒りの発作がおさまるまでぼくは揺さぶられ続けなければならない。そんな鬼怒川。鬼怒川の暗黒面。
それにしても、ごわんごわんと揺れていると、なぜだか決まって「わーれわーれは宇宙人だっ」と一人なのに一人称複数形自己紹介をしたくなってしまう、昭和の世代なわたくし。
で、未舗装の砂利道すらなくなってしまって、完全な行き止まり。やれやれ、と一般道をつかず離れず走って、数キロ、なんだかほとぼりが覚めた頃鬼怒川に戻るとちゃんと舗装道になってる。
なんだか、こいつは悪女の予感だよ。
ふいといなくなったきり帰ってこず、3日後、何事もなかったかのように帰ってくるような、そんな女、鬼怒川。
「ねえ、あたしが3日間外で何してたか聞きたい?」
「別に聞きたくないよ」
「そう。そう言うと思った。あなたが聞きたくないのは、勇気がないから。あたしはそういうとこが大嫌いなの」
「嫌いならなぜ帰ってきたんだ?」
「嫌いだから」
「え?」
「これからあたしがどこで何してたか話して、なぶってやろうと思ったからよ」
なんだかわかんないけど、鬼怒川超悪女。翻弄されっぱなし。
最終的にはですね、
こんなような道になり、これはもうサイクリングロードではなく、ハイキングとかでしょ、ロードバイクじゃ無理よってことで、リタイア。他にも行き当たったら墓とか、鬼怒川隠し玉多し。
その中で2つほどご紹介。
行き当たったら墓だったから、それて未舗装の砂利&草道を走って、また行き当たったのがこれ。墓とか慰霊塔とか怖いんだけど。人っ子ひとりいないんだよ。たまに鳥がバサバサって音を立てるだけでびくびうしてしまう(もともと怖がり)。
ハンターがこの小さな掲示に見てやめようと思うのか、それともこんなのに気づかないのか、ぼくがハンターなら断然後者である。それに人が多勢とか嘘。誰もいないんだって。だから怖いんだって。人がわんわんいたら、誰だって撃たないだろう? あえてそういう意図を持っている人以外は。それに多勢って、「たぜい」って読むんだろ? 揚げ足取るようで申し訳ないが。とにかく鬼怒川、最悪。整備しなさすぎ。半端にときどき走れるサイクリングロードがある分悪女。月に2日は最高で、残りは悪夢のような悪女。鬼怒川、ぼくの中でシャーロット・ランプリング認定。
ここで、大イリュージョン。鬼怒川の河川敷探して走ってたら、はい、土手上のサイクリングロード発見。ほくほくして走ろうと近寄ると、「小貝川」との標識。へい、ジョージ、こいつったら間違ってるぜ、HAHA。負け惜しみであることは自分でもわかってる。ぼくはかなりの実力派方向音痴。国土交通省の標識と俺とどちらが信頼できるかは誰にでもすぐわかる。すげえなあ、自分でも感心する。鬼怒川のすぐそこまで行っていながら、河川敷探している内に別の川に来てしまう。大イリュージョニストだよ、だって、狐につままれたみたいだもの。
かなり大きな音をたてて心が折れたのに気づきつつも、道を戻り鬼怒川を探します。はい、鬼怒川ありました。サイクリングロードもあります。やっぱり戻ってきて正解。気持よくしゃんしゃん走っていると、なんだか雲行きが怪しい。気候ではなく、道が。
おいおい、さっきまでの整備されたサイクリングロードはどうなってしまったんだ?
なんだか、いきなり不機嫌になる彼女に振り回される気持ちがする。
「さっきまであんなに機嫌よかったじゃないか?」
「なに? さっきまで機嫌よかったら一生ニコニコしてなきゃなんないわけ?」
「いや、なんで、急に怒り出したのかわからないって言ってんだよ」
「根本はね、その理由がわからないっていうあなたのにぶさがすべての原因」
「それ、原因と結果の論理レベルが一つ違う」
「ちがわないわよ。ああ、もう、そういうとこがほんとイヤ、わたしは論理レベルの話をしてんじゃないの。わたしはね、感情で生きてんのよ」
「それはそうなんだけど、さっきの説明だと、なんだかよく…」
「だからそれはあなたがにぶいから。いい? に・ぶ・い・から。わかる?」
みたいな鬼怒川。原因不明で、そして突発的な怒りの発作がおさまるまでぼくは揺さぶられ続けなければならない。そんな鬼怒川。鬼怒川の暗黒面。
それにしても、ごわんごわんと揺れていると、なぜだか決まって「わーれわーれは宇宙人だっ」と一人なのに一人称複数形自己紹介をしたくなってしまう、昭和の世代なわたくし。
で、未舗装の砂利道すらなくなってしまって、完全な行き止まり。やれやれ、と一般道をつかず離れず走って、数キロ、なんだかほとぼりが覚めた頃鬼怒川に戻るとちゃんと舗装道になってる。
なんだか、こいつは悪女の予感だよ。
ふいといなくなったきり帰ってこず、3日後、何事もなかったかのように帰ってくるような、そんな女、鬼怒川。
「ねえ、あたしが3日間外で何してたか聞きたい?」
「別に聞きたくないよ」
「そう。そう言うと思った。あなたが聞きたくないのは、勇気がないから。あたしはそういうとこが大嫌いなの」
「嫌いならなぜ帰ってきたんだ?」
「嫌いだから」
「え?」
「これからあたしがどこで何してたか話して、なぶってやろうと思ったからよ」
なんだかわかんないけど、鬼怒川超悪女。翻弄されっぱなし。
最終的にはですね、
こんなような道になり、これはもうサイクリングロードではなく、ハイキングとかでしょ、ロードバイクじゃ無理よってことで、リタイア。他にも行き当たったら墓とか、鬼怒川隠し玉多し。
その中で2つほどご紹介。
行き当たったら墓だったから、それて未舗装の砂利&草道を走って、また行き当たったのがこれ。墓とか慰霊塔とか怖いんだけど。人っ子ひとりいないんだよ。たまに鳥がバサバサって音を立てるだけでびくびうしてしまう(もともと怖がり)。
ハンターがこの小さな掲示に見てやめようと思うのか、それともこんなのに気づかないのか、ぼくがハンターなら断然後者である。それに人が多勢とか嘘。誰もいないんだって。だから怖いんだって。人がわんわんいたら、誰だって撃たないだろう? あえてそういう意図を持っている人以外は。それに多勢って、「たぜい」って読むんだろ? 揚げ足取るようで申し訳ないが。とにかく鬼怒川、最悪。整備しなさすぎ。半端にときどき走れるサイクリングロードがある分悪女。月に2日は最高で、残りは悪夢のような悪女。鬼怒川、ぼくの中でシャーロット・ランプリング認定。