毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

岩船山へ行ってきました

2014年09月14日 12時42分27秒 | 観光
 ずっと境界線に憧れていました。こちらでもなく、あちらでもない、その合わいにたゆたう、危うい空間。海の水平線などを見ていると、その先が見えないのは地球が丸いせいであることは重々承知しながらも、なんだか見えないその先にあの世があって、水平線がその境界にあたるんじゃないかなどと考えたりします。まあ、いわゆるバカです。でもそう考えると水平線はとても魅惑的な場所に様変わりします。太平洋の向こうにはハワイとか、あと、ええと、島とか、ほかにも、なんだか島とかアメリカとかがあるんだけれど、それは海岸に佇むぼくにとっては記号的な情報に過ぎず、その向こう、ハワイとかは人の領域だから、その手前、どちらからも見えないあたりにはあの世があって、たまにあの世から誰かが水平線にぼうっとやって来て、われわれの世界と交わり、また去っていきます。
 あちらでもなく、こちらでもない境界線は、だからあちらでもあり、こちらでもある、たいへん豊穣な世界のように感じられます。
 必ずしも境界線は地理的な隔絶を必要とするものではありません。いわゆる宗教儀式というのは、いまここに境界線を登場させるもののように思われます。たとえばお神楽。かつてそこで行われた天地開闢や龍退治を神楽として舞うことによって、そのかつてそこをいまここに蘇らせます。われわれの世界へのその聖なる時間と空間の出現によって、そこに境界線が発生します。神楽を舞ったあとにお菓子などを観衆に投げて振る舞うのは、あちら側からの贈与なのではないでしょうか。
 ようやく少し仕事にも慣れ(いつかぼくの前職、そして今の職業について触れたいと思います、一般的にはなかなか興味深い分野かもしれないので)、先日日帰りですが岩船山へ行ってきました。死者たちが集うと言われる山は、ことによったら旧石器時代からの古い信仰をつないでいる聖地であります。ずいぶん時間があいてしまいましたが、次回「岩船山にあの世への信仰を見ました」、どうぞよろしく。


コメント (3)
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