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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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寒さ断熱は暑さ断熱の裏返しか…北斗市

2007年11月24日 16時25分34秒 | Weblog
家屋内を暖かくするために断熱材をどんなに厚くしてもさほど効果が上がりません。
暖房するほど室内空気が膨張し、小さな隙間から暖かい熱と冷たい熱が入れ替わり、冷たい熱が人の居る床付近に停滞するからです。つまり、暖かい家をつくるには、気密性能を確保するのが一番重要であると言えるでしょう。

然るに、涼しさは完全な断熱性能で確保する事が家づくりに欠かせないのです。
夏場に直達日射熱を受けた屋根材は100度近くにもなり、小屋裏温度は80度にも上昇し、この熱を遮るのは断熱か遮熱するしかありません。
温暖地の断熱材の厚さは北海道なみか、或いはそれ以上のしっかりと断熱性能が求められます。

地球温暖化によって夏場の気温が異常なほどに高くなり、冷房に使用するエネルギーも増加傾向にあります。
このため温暖地ほど断熱性能の意識を高め、直達日射熱や異常気温を遮る必要性があります。ところが日本の断熱基準は南下するほど薄くなっております。
特に温暖地における屋根や天井の断熱材の厚さは、せいぜい50ミリ程度です。
これでは80度にもなる小屋裏の気温が天井面からの輻射熱で侵入し、家屋内部の構造部材や内装部材、家具などに膨大な熱を蓄熱してしまいます。

家の構成部材を冷やしたり暖めたりするためには、空気を冷やし、暖めるためのエネルギーの900倍ものエネルギーが必要となります。
賢明な生活者は、断熱素材と厚さを選択し、しっかりとした家づくりをすべきと思われます。

今年も北海道などの北日本は11月では季節外れの大雪に見舞われています。
昨年は年明けの大雪、一昨年は記録的な大雪、とにかく異常気象的な天候が続いています。
追い討ちをかけるように原油価格の暴騰で暖房費用もかさむ一方です。
暖かい家をつくるために家に隙間を作らず、気密性能を高くすると当然、室内の空気が汚れます。
汚れたら換気をすれば善い等と単純なものでなく、換気をすると言う事は隙間をつくる事に他ならないのです。

乾燥した真冬の寒気、湿気の含んだ真夏の暖気を遮るのが断熱なのです。
「寒さ断熱は暑さ断熱の裏返しか」の問いには、理屈の上ではその通りですが、様々な条件が付随すると言う事です。

今日の土曜日は寒気を活用して断熱材の性能実験を行っていました。(写真は実験ブース)
今日は久々に専門分野の断熱コラムを書いたような…
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