最初は本気で
「だいじょうぶ?

「だいじょうぶ3組」68点★★★☆




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東京郊外の小学校に
二人の先生が赴任してくる。
車椅子に乗った赤尾慎之助(乙武洋匡)と
補助教員・白石優作(国分太一)だ。
生まれつき手と足がない赤尾を補佐するため
幼なじみで教育委員会に務める白石が
補佐をすることになったのだ。


赤尾を前にした
5年3組の子どもたちの反応は――?!



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2007年から3年間、
実際に小学校で担任を務めていた乙武氏が
その体験を基に書いた小説の映画化で
本人も映画初出演。

はじめはストーリーよりも
“子役”っぽい子どもたちの芝居にばかり目がいき


うわあ、児童劇団の演技合戦みたいでどうしよう

いや意外に子どもたちが
本当に成長していくのを目の当たりにして、
だんだん集中できました。



熱中していきました(笑)
乙武氏ならではの授業の意味とメッセージが伝わるので
終わりよければよし、かな。


あと
最初にひっかかかたのは
車椅子の先生(乙武洋匡)が
「介助員」役までつけて担任になる必要性と、
そうさせる彼の“我の強さ”に対する違和感。

補佐役にまわる先生(国分太一)の存在意義ってどうなのよ、という点。
しかし観てると
なんだか「わかった!


ハンディキャップのあるなしに関わらず
前に出るタイプの人間と、
後方で支えることを得意とするタイプの人間は
確かに存在しているのだ。

そういう二人がタッグを組むと
仕事でも夫婦でもけっこううまくいったりする。


この二人も、
単にそういう話なのだ、と
そう腑に落ちると、俄然見やすくなります。

子どもたちが乙武氏に会うシーンは
本当に初対面の一発勝負だったそうで、
彼らが乙武さんの見た目のインパクトに驚く様子は
まぎれもなく本物。


そのリアルがあるからこそ
「どうやってごはんを食べるの?」という
素朴な疑問や興味が手に取るようにわかるし、
一緒に生活するうちに
「先生はみんなと違う」でも
「人と違ってみんないい」の結論に至るというわけで。


その
他者理解と共生の精神が
子どもたちのなかに芝居ではなく
真に芽生えたという、確かな感触がありました。

★3/23(土)から全国で公開。
「だいじょうぶ3組」公式サイト
発売中の『週刊朝日』で
国分さんと乙武さんの対談記事を書きました。

よろしければご一読を

年も近い二人は、ホントに映画そのまんま
息のあったコンビぶりで
とてもいい感じでした。

