この映画のマッツ・ミケルセンも
生涯忘れられない気がします。


「偽りなき者」77点★★★★




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デンマークの小さな町で
幼稚園教師をするルーカス(マッツ・ミケルセン)。



優しい先生である彼は、園児たちにも人気者だ。


そんななか、園児のクララはルーカスに
淡い恋心を抱く。


だが、ルーカスにやんわりと
その思いを拒絶されたクララは
校長にある“嘘”をつく。


それが大変な事態を巻き起こしていき――?!

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デンマーク映画を牽引する
「光のほうへ」トマス・ヴィンターベア監督の新作。

いやあ、
相変わらず落ち着いた描写で、
しかしはらわたを
たっぷり煮えくり返りさせてくれますなあ


ませガキがついたウソが原因で
「変質者」にされてしまう男の話で
愛犬と二人きりで暮らす彼に
想像できる限りの「いや~なこと」が全部起こっていく憤りと

それを描く淡々とした筆致のコントラストに
むかっ腹が収まらない。



騒動を起こす園児クララが
心底憎たらしく思えるし

また
「なぜもっとはっきりと『違う!』と叫ばないのだミケルセンよ!

万事にイライラさせられどおし。

子ども嫌いで動物好きには
我慢ならないかもしれないですね(苦笑)

それでもしかし、残るものは大きいんです。


子どもを「無垢」「宝」と信じて
何でも許しかねない社会の危うさに
一石投じてもいるし
また
ミケルセン演じる教師も
けっこうキレやすかったり

そうした人物造型が
監督の技とあいまって、最高潮です。


その収束がまた
淡々として見事なんだよね。

観て「爽快!」って映画では決してないけど
でも、かなりおすすめです。

★3/16(土)から全国で公開。
「偽りなき者」公式サイト