意外と個々のエピソードが
後ひいてたりもするんだけど。
「クラウド アトラス」46点★★★
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6つの時代で起こる
6つのストーリーが同時に紹介される作りです。
遙かな未来。
ヤギ飼い(トム・ハンクス)は
かつて地球の大崩壊を生き延びいまは平和で原始的な日々を送っている。
1849年、若き弁護士(ジム・スタージェス)は
太平洋で過酷な船旅をし
1936年、若き作曲家(ベン・ウィショー)は
恋人(ジェイムズ・ダーシー)と離れて
自力で名をなそうとする。
1973年、ジャーナリスト(ハル・ベリー)は
原子力発電所での汚職を暴こうとし
2144年、近未来のネオ・ソウルで
複製種(=クローン)の(ペ・ドゥナ)は知られざる秘密を知る――。
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「マトリックス」のウォシャウスキー姉弟監督と
「ラン・ローラ・ラン」の監督による壮大なスケールの映画。
1849年、1936年、1973年、2012年、2144年、
さらに遥かな未来、と
時間も場所も登場人物も違う6つの物語を
同時進行でつなげてみせる。
そうすることで
あたかも6つの出来事が
時空を越えてつながっているように感じ、
そのことから「人はつながっているのだ」を
感覚的に理解しようではないか、という試みのようです。
てか
うーん、これ
フツーに映画の定番手法っちゃ定番なんですが(苦笑)
ただ
その規模がでかいのと
ザッピングの仕方がかなり斬新なので
確かに感じたことのない感覚を味わえます。
トム・ハンクスが各時代に
いくつもの扮装して隠れてるわウフフ、と思ったら
ほかのキャストもみな特殊メイクで
いくつもの役をこなしてた!(笑)しかも意外に気づかない。
エンドロールでその種明かしがあるので
見逃さないように。
と、
アイデアとコンセプトはいいんですが
中身はというと
ひとつひとつの話があまりに薄い。
マトリックス的「現実に目覚めよ!」な話があったり、
ゲイが社会的に抹殺される時代の悲しさとか
何処かで聞いたような話をつなげて、
技巧に頼った状態になってしまっているんですね。
2時間50分超の意味はあまりなく
試写室でも周囲の人々が
順番に眠りに落ちていくのがよくわかった(笑)。
しかし
終わってみるとけっこう残ってるシーンがあったりもするんですよ。
2144年のネオ・ソウルでの
ペ・ドゥナのはかない愛とか。
それに
ベン・ウィショーにはいつもキュンとやられる(笑)
弱いんだよね、この人の醸す切なさに。
★3/15(金)から全国で公開。
「クラウド アトラス」公式サイト