ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ハナレイ・ベイ

2018-10-16 11:27:07 | は行

 

なんだろう、何かがジワジワと身体に沁みてくる。

 

「ハナレイ・ベイ」73点★★★★

 

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シングルマザーのサチ(吉田羊)のもとに

突然の知らせが舞い込む。

 

息子のタカシ(佐野玲於)がハワイのハナレイ・ベイで

サーフィン中に亡くなったというのだ。

 

サチはハナレイ・ベイに向かい、

物言わぬ息子と対面する。

 

そして息子を奪った海辺へと向かったサチの胸に

去来するものとは――。

 

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村上春樹氏の同名短編をもとに

「ピュ~ぴる」(11年)「トイレのピエタ」(15年)の松永大司監督が映画化。

松永監督、うまいなあ。

淡々と、抑揚なきようでいて、

流れる時間に

ゆったりと、ゆるゆると観客をひきずりこんでいく。

 

感情の起伏なきヒロイン、吉田羊氏の凛とした佇まいは

美しくもあり、

強くもあり、か細くはかなげでもあり。

 

ある意味、もたいまさこさんのような、

ざっかけない「おばさん」ふうでもあり。

 

見たことのない、吉田羊がたしかに写っていたと思う。

 

ハワイの空気と、彼女のいる浜が

ずっと心に、残って心地いい。

 

村上春樹氏の原作を、映画のあとに読みましたが

うん、驚くほど世界はそのままに

でも、きっちり咀嚼して、描いてある。

てか、もうヒロイン=吉田羊の映像しか浮かびませんでした(笑)。

 

今週発売の「AERA」10/22号で

松永監督と、佐野玲於さんの対談記事、書きました。

 

佐野さんのあの、自然な「居かた」の理由も

ちょっとわかったような。

ぜひ映画と併せてご一読ください~

 

★10/19(金)から全国で公開。

「ハナレイ・ベイ」公式サイト

コメント
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