ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ライ麦畑で出会ったら

2018-10-28 00:06:19 | ら行

 

これね、中盤からグググッとよくなる。

 

「ライ麦畑で出会ったら」71点★★★★

 

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1969年、アメリカ・ペンシルバニア州。

冴えない高校生ジェイミー(アレックス・ウルフ)は

周囲となじめず、孤独な日々を送っていた。

 

そんなときジェイミーは『ライ麦畑でつかまえて』を読んで感銘を受け、

これを演劇として脚色し、

学内で上演することを思いたつ。

 

が、舞台化には原作者のサリンジャーの許可が必要だった。

 

サリンジャーは隠遁生活を送っており、

その居所を掴むことは困難。

 

しかし、諦めきれないジェイミーは

無謀にもサリンジャーを探す旅に出ることに――?!

 

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冒頭、主人公に感情移入しにくいので

「どうでしょね」と思ったんですが

いやいや、

中盤~後半で、グググッとよくなった。

 

いま現在、自分を探してる人、

そしてかつて、自分を探していた人。

誰もにコツン、とひっかかる青春映画。

 

主人公ジェイミーはオタク気質で、KYで

どうしたって周囲に「うーん・・・・・・」と思われそうな人物なんですが

そんな彼を、なぜか無条件に支える

聡明なヒロイン(ステファニア・オーウェン)がいいし、

隠遁していたサリンジャーに会える?!という思わぬ展開もいい。

 

サリンジャーを単なる“アイコン”とせず、

同時代に生存していた人として描いてるんですよね。

そこがよいなと。

 

そして、人生を模索する主人公にサリンジャーが言う

「自分の物語を書け」というセリフ。

 

全ての若者へのメッセージに感じて、ホロリ、きました。

 

★10/27(土)からヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国で公開。

「ライ麦畑で出会ったら」公式サイト

コメント
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