なんだろう、何かがジワジワと身体に沁みてくる。
「ハナレイ・ベイ」73点★★★★
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シングルマザーのサチ(吉田羊)のもとに
突然の知らせが舞い込む。
息子のタカシ(佐野玲於)がハワイのハナレイ・ベイで
サーフィン中に亡くなったというのだ。
サチはハナレイ・ベイに向かい、
物言わぬ息子と対面する。
そして息子を奪った海辺へと向かったサチの胸に
去来するものとは――。
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村上春樹氏の同名短編をもとに
「ピュ~ぴる」(11年)「トイレのピエタ」(15年)の松永大司監督が映画化。
松永監督、うまいなあ。
淡々と、抑揚なきようでいて、
流れる時間に
ゆったりと、ゆるゆると観客をひきずりこんでいく。
感情の起伏なきヒロイン、吉田羊氏の凛とした佇まいは
美しくもあり、
強くもあり、か細くはかなげでもあり。
ある意味、もたいまさこさんのような、
ざっかけない「おばさん」ふうでもあり。
見たことのない、吉田羊がたしかに写っていたと思う。
ハワイの空気と、彼女のいる浜が
ずっと心に、残って心地いい。
村上春樹氏の原作を、映画のあとに読みましたが
うん、驚くほど世界はそのままに
でも、きっちり咀嚼して、描いてある。
てか、もうヒロイン=吉田羊の映像しか浮かびませんでした(笑)。
今週発売の「AERA」10/22号で
松永監督と、佐野玲於さんの対談記事、書きました。
佐野さんのあの、自然な「居かた」の理由も
ちょっとわかったような。
ぜひ映画と併せてご一読ください~
★10/19(金)から全国で公開。
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