乙女な“プリンセス伝説”とかではない内容は好き。
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」67点★★★☆
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1956年。オスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は
モナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)の求婚を受け、
モナコ公妃となった。
6年後、
二人の子をもうけ、幸せそうに見えるグレースだったが
自分の意見をはっきり言うそのスタイルゆえ
実は社交の場では浮きまくり。
王室ではかなりビミョーな立ち場にいた。
そんなとき、小国モナコに最大の危機が訪れて――?!
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かのグレース・ケリーの物語、とくれば
「華麗なる王妃の人生」はたまた
王室に入った女優が
「こんなはずじゃなかった」とか苦悩して、自暴自棄に……とか
フツーそういうのを思い描くじゃないですか。
しかし、想定とは違い
かなりマジメに政治話を盛り込んだ物語でした。
描かれるのは
フランスに侵略されそうな小国モナコが
平和に存続し続けるために、
自分にできる「役割」をやりきろうとするグレース・ケリーの奮闘。
実際「こんなに彼女が役割を果たしたのか?」と
史実的に詳しい方は微妙な反応でしたが、
ややフィクションとして見れば
王妃の真摯に国を想う姿勢と、その実直さに感じ入るものあります。
“プリンセスストーリー”でない分、
内容としては地味で
ちょっと眠くはあるんですが(笑)
ただ想定よりも見応えはありました。
モナコがどこにあるか、とか
どういう背景なのか、とか
改めてよくわかったし。
グレース・ケリーを演じられるのは
ここ10年を見てもおそらく
ニコール・キッドマンしかいないと思いますが
ただ、キッドマンはあくまでも“ニコール・キッドマン”。
気品ある佇まいでまったくもってOKなのですが
あと10年早くやっていれば、もっともっと“素”で近づけただろうし、
単純に美しかっただろうなーとか思うと
ちょっと悔しいですね。
★10/18(土)から全国で公開
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」公式サイト