ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

2014-10-14 22:50:52 | か行

乙女な“プリンセス伝説”とかではない内容は好き。


「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」67点★★★☆


*************************

1956年。オスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は
モナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)の求婚を受け、
モナコ公妃となった。

6年後、
二人の子をもうけ、幸せそうに見えるグレースだったが

自分の意見をはっきり言うそのスタイルゆえ
実は社交の場では浮きまくり。
王室ではかなりビミョーな立ち場にいた。

そんなとき、小国モナコに最大の危機が訪れて――?!

*************************

かのグレース・ケリーの物語、とくれば

「華麗なる王妃の人生」はたまた
王室に入った女優が
「こんなはずじゃなかった」とか苦悩して、自暴自棄に……とか
フツーそういうのを思い描くじゃないですか。

しかし、想定とは違い
かなりマジメに政治話を盛り込んだ物語でした。

描かれるのは
フランスに侵略されそうな小国モナコが
平和に存続し続けるために、
自分にできる「役割」をやりきろうとするグレース・ケリーの奮闘。

実際「こんなに彼女が役割を果たしたのか?」と
史実的に詳しい方は微妙な反応でしたが、

ややフィクションとして見れば
王妃の真摯に国を想う姿勢と、その実直さに感じ入るものあります。


“プリンセスストーリー”でない分、
内容としては地味で
ちょっと眠くはあるんですが(笑)

ただ想定よりも見応えはありました。

モナコがどこにあるか、とか
どういう背景なのか、とか
改めてよくわかったし。

グレース・ケリーを演じられるのは
ここ10年を見てもおそらく
ニコール・キッドマンしかいないと思いますが


ただ、キッドマンはあくまでも“ニコール・キッドマン”。


気品ある佇まいでまったくもってOKなのですが
あと10年早くやっていれば、もっともっと“素”で近づけただろうし、
単純に美しかっただろうなーとか思うと
ちょっと悔しいですね。

★10/18(土)から全国で公開

「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする