ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

FRANK -フランク-

2014-10-01 21:27:19 | は行

顔を見せない
マイケル・ファスベンダーって・・・(笑)


「FRANK -フランク-」72点★★★★


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ミュージシャンになる夢を持ちつつ
パッとしない人生を送るジョン(ドーナル・グリーソン)は

あるきっかけでインディー・バンド「ソロンフォルブス」のライブに
飛び入り参加する。

バンドの中心人物でボーカルのフランク(マイケル・ファスベンダー)は
巨大な張りぼてのマスクをかぶった男だった。

ステージが終わり、顔を見せるかと思いきや
フランクはがずっと張りぼてをかぶったまま。

そんなフランクにジョンは魅了されていくが――?!


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アイルランド・ダブリン生まれの
レニー・アブラハムソン監督の新作。

「アダムとポール」(04年)「ジョジーの修理工場」(07年)で知られ
ファスベンダーもファンだったそうなんですが

すいません、見たことなかった。

でもとにかく
マイケル・ファスベンダーにお面をかぶせ、
わざわざイケメンを封印するという
このすっ飛んだ設定がおもしろいじゃん!(笑)

そこにマギー・ギレンホールとくれば
かなーり個性派&ヤバめの予感?

・・・と思って見まして
けっこう期待どおりでした。

見終わってなにもスッキリしないんだけど、
心をじくじくと引っ掻くような余韻があるんですよねえ。


まさにフランクたちが奏でるバンドの
不協和音のような、アバンギャルドミュージックそのまま。

ミュージシャンを夢見るものの
才能は“中の下(もしくはそれ以下?)な主人公ジョンが
張りぼてお面姿ながら、
自分の音楽世界を持っているフランクに傾倒し

その仲間になろうとがんばり
あげく
バンドを有名にしようとするが・・・というお話で

ドーナル・グリーソン演じる冴えないジョンのキャラそのままに
(ハリポタのビル・ウィーズリー役の彼)
全体的にグズッと、晴れない感じ。
映像もくすんだグレーっぽくて。

それでも
ブっと吹き出すユーモアに溢れてて
なんでかおもしろい。

どうみても“病的”なフランクが
簡単に「愛すべき」とか「愛おしい」とかにならず、
あくまでも彼の抱える病いのシビアさが苦く残るあたりも
引きずる要因か。

甘さのなさも、けっこう好みでした。


音楽もイケてるので、難しく考えず

ファスベンダーのムキムキな肉体と
とぼけたフランクのお面のギャップを
笑っていいんだと思います(笑)

プレス資料の表紙もカワイイよ。



★10/4(土)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

「FRANK -フランク-」公式サイト
コメント
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