顔を見せない
マイケル・ファスベンダーって・・・(笑)
「FRANK -フランク-」72点★★★★
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ミュージシャンになる夢を持ちつつ
パッとしない人生を送るジョン(ドーナル・グリーソン)は
あるきっかけでインディー・バンド「ソロンフォルブス」のライブに
飛び入り参加する。
バンドの中心人物でボーカルのフランク(マイケル・ファスベンダー)は
巨大な張りぼてのマスクをかぶった男だった。
ステージが終わり、顔を見せるかと思いきや
フランクはがずっと張りぼてをかぶったまま。
そんなフランクにジョンは魅了されていくが――?!
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アイルランド・ダブリン生まれの
レニー・アブラハムソン監督の新作。
「アダムとポール」(04年)「ジョジーの修理工場」(07年)で知られ
ファスベンダーもファンだったそうなんですが
すいません、見たことなかった。
でもとにかく
マイケル・ファスベンダーにお面をかぶせ、
わざわざイケメンを封印するという
このすっ飛んだ設定がおもしろいじゃん!(笑)
そこにマギー・ギレンホールとくれば
かなーり個性派&ヤバめの予感?
・・・と思って見まして
けっこう期待どおりでした。
見終わってなにもスッキリしないんだけど、
心をじくじくと引っ掻くような余韻があるんですよねえ。
まさにフランクたちが奏でるバンドの
不協和音のような、アバンギャルドミュージックそのまま。
ミュージシャンを夢見るものの
才能は“中の下(もしくはそれ以下?)な主人公ジョンが
張りぼてお面姿ながら、
自分の音楽世界を持っているフランクに傾倒し
その仲間になろうとがんばり
あげく
バンドを有名にしようとするが・・・というお話で
ドーナル・グリーソン演じる冴えないジョンのキャラそのままに
(ハリポタのビル・ウィーズリー役の彼)
全体的にグズッと、晴れない感じ。
映像もくすんだグレーっぽくて。
それでも
ブっと吹き出すユーモアに溢れてて
なんでかおもしろい。
どうみても“病的”なフランクが
簡単に「愛すべき」とか「愛おしい」とかにならず、
あくまでも彼の抱える病いのシビアさが苦く残るあたりも
引きずる要因か。
甘さのなさも、けっこう好みでした。
音楽もイケてるので、難しく考えず
ファスベンダーのムキムキな肉体と
とぼけたフランクのお面のギャップを
笑っていいんだと思います(笑)
プレス資料の表紙もカワイイよ。
★10/4(土)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
「FRANK -フランク-」公式サイト