アゴタ・クリストフの原作には
衝撃を受けたなあ。
「悪童日記」45点★★☆
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1944年、戦争中のハンガリー。
双子の兄弟(アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント)は
田舎に住む祖母(ピロシュカ・モルナール)に預けられる。
だが、祖母はおっかない女性で
双子を一日中こき使う。
双子は自分たちだけで生き抜くための
術を身につけていくが――。
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ハンガリー出身の作家アゴタ・クリストフによる
同名小説の映画化。
1986年に出版されて、日本でもかなり話題になった。
映画化の話はずいぶん前からあって
「ソハの地下道」のホランド監督や
「偽りなき者」のトマス・ヴィンターベア監督も
映画化権を獲得しながら、いままで実現に至らなかったそう。
そしてついに
ハンガリーはブタペスト出身のヤーノシュ・サース監督によって
映画になった・・・というもの。
正直、話の細部は忘れてましたが
いやでも
あの衝撃を期待するのは人の常。
ですが、うーん。
この映画から、そうしたものは感じられなかった。
戦争の影が広がるなか、
双子は自分たちを鍛錬するため、虫を殺してはピン止めしたり
武器を手に入れたり
ナチスドイツ軍の将校と顔利きになったり
憎んだターゲットに報復をしたりする。
彼らの“恐るべき子どもたち”っぷりが
この物語の核で、
映像の双子たちの不遜で不気味な雰囲気は
まずまずなんですが
その心のうちや、背景の戦争などが、
画としてしか迫ってこない。
ラストは「おお」と思ったんですが
ちょっと残念でした。
トマス・ヴィンターベア監督で見てみたかった!というのが
正直な思いでございます。
★10/3(金)からTOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテほか全国公開。
「悪童日記」公式サイト