高校バスケットボール・ウィンターカップ、男子は明成が78-73で土浦日大を破り、3連覇を果たした
土浦日大が勝てた試合だった。
第1ピリオド途中から、土浦日大がバランスよく攻め、ペースを握っていた。特に、第3ピリオド、3ポイントシュートがよく決まり、残り4分56秒で48-39と9点差をつけたところでは、このまま土浦日大が押し切るかと思われた。この後、互いに3ポイントシュートを決め合い、残り3分58秒で51-42と、やはり9点差を維持。
流れが変わったのは、残り3分15秒で3ポイントシュートを決められたプレイ。これに至る前のオフェンスでターンオーバーを犯し、その後相手のシュートが外れたリバウンドをやすやすと奪われての3ポイントシュートだった。(土浦日大51-明成45)
この少し前もターンオーバーを犯しており、リバウンドと言い、土浦日大に心の隙が生じていたのではないだろうか。ベンチとしては、ここでタイムアウトを取るべきだった。土浦日大がタイムアウトを取ったのは、3点差に迫られてからだった(51-48、残り2分36秒)。結局、このピリオドは土浦日大57-54明成の3点差で終わり、明成は≪まだまだやれる≫、土浦日大は≪もっと点差があってもいいはずなのに≫という気持ちで、最終ピリオドに向かうことになった。
第4ピリオドは、重圧からか土浦日大のプレーがぎこちなく、シュートが決まらない。これに対し、第3ピリオド途中から、エース八村以外の選手が活躍し始め、伸び伸びとしたプレーで、逆転。その後も、得点を重ね、残り4分42秒で、明成64-57土浦日大と7点差をつける。
第4ピリオド、5分を経過しても、なんと土浦日大は無得点。ここに至るまで、タイムアウトを取らなかった土浦日大、第3ピリオドに続いて、疑問のベンチワークだった。逆転されたところで、タイムアウトを取るべきだった。
その後、土浦日大も立て直したが、流れを変えることができず、明成が78-73で勝利、3連覇を果たした。
明成は第3ピリオド途中まで、パスの回りやシュートタッチが悪く、八村が孤軍奮闘で何とか踏み止まっていたという状況。苦しい中、辛抱し、勝負どころで爆発した見事な優勝だった。
★その他、気がついた点
1.八村選手の気になるプレー
マークしているプレーヤーをかわして回り込むプレーの際、腕を相手の背中に回して巻き込むように相手を押しのけるプレーがあるが、八村選手の場合、巻き込むどころか、ひじを当てて押していた。ほぼ“肘打ち”といって良いプレーで、ハッキリ反則である。
私の認識は「巻き込むだけでも反則」なのだが、どうなのだろう?
とにかく、この“肘打ちまがい”のプレーをことごとく見逃していた審判にも、大きな疑問を感じた。
2.八村選手に対する土浦日大のベンチワーク
「八村選手の30得点は覚悟しており、他の選手を押さえ込んで勝つ」という方針で、中盤過ぎまでは、功を奏していたように思う。(この試合の八村選手は34得点、19リバウンド)
ただ、時折は、土浦日大のツインタワーでダブルチームを掛けて、八村選手にプレッシャーを与えても良かった。八村選手に気持ち良くプレーをさせてしまった。
3.実況、解説陣に不満
解説は長谷川健志氏、田臥勇太氏、実況は青嶋達也氏。
田臥氏は、3年連続高校3冠の偉業を為し、NBAでもプレーをし、全日本を引っ張っている名選手(現役)。
なので、高校時代の話や、バスケット全般における話が多くり、プレーそのものの実況がおざなりになってしまった。誰が得点したか?何点差がついたか?ゲームの流れはどちらにあるか?などを押さえずに、流れてしまうことが多かった。
どこをどうすべきか?とか、大きなキーポイントになったと思われるプレーも気づかずスルーと、観ていて、かなりフラストレーションを感じた。
4.高校バスケットボール事情に疎い川淵三郎氏
男子プロリーグの分裂によるゴタゴタで、統括団体の機能を果たしていないと国際連盟(FIBA)から無期限の加盟資格停止処分を受けた日本バスケットボール連盟。
その立て直しに起用された川淵氏。見事に再建を果たし、国際大会への参加が認められ、女子は五輪出場を決めた。
この試合のハーフタイム時に、この大会の印象を語っていたが、
「ビックリしました。こんなたくさんのお客さんが詰めかけているとは、夢にも思わなかった。こんな大会が日本にあったのかと言う印象ですよ。凄いですね、バスケットボール人気は。
(3年連続3冠に挑んでいる)桜花学園が勝つものと思って岐阜(岐阜女子)を一所懸命応援していたが、第4ピリオド、大逆転。
片っ方は名のある選手がいっぱい集まったチーム、片一方はあまり名のない選手が集まったチーム。それが、最後まであきらめず、勝利を勝ち取ったということで、感動しました。本当に素晴らしかった」
非常に率直な感想だった。今年の年頭に会長に就任したので、事情に疎いのは仕方がないが、「こんな大会が日本にあったのか」は拙いであろう。
岐阜女子を“はあまり名のない選手が集まったチーム”と評したのも失礼。
せめて、「岐阜女子はインターハイ、国体の決勝で、4点差、2点差と僅差の試合をしていた」ぐらいの情報を得て、観戦してほしかった。
土浦日大が勝てた試合だった。
第1ピリオド途中から、土浦日大がバランスよく攻め、ペースを握っていた。特に、第3ピリオド、3ポイントシュートがよく決まり、残り4分56秒で48-39と9点差をつけたところでは、このまま土浦日大が押し切るかと思われた。この後、互いに3ポイントシュートを決め合い、残り3分58秒で51-42と、やはり9点差を維持。
流れが変わったのは、残り3分15秒で3ポイントシュートを決められたプレイ。これに至る前のオフェンスでターンオーバーを犯し、その後相手のシュートが外れたリバウンドをやすやすと奪われての3ポイントシュートだった。(土浦日大51-明成45)
この少し前もターンオーバーを犯しており、リバウンドと言い、土浦日大に心の隙が生じていたのではないだろうか。ベンチとしては、ここでタイムアウトを取るべきだった。土浦日大がタイムアウトを取ったのは、3点差に迫られてからだった(51-48、残り2分36秒)。結局、このピリオドは土浦日大57-54明成の3点差で終わり、明成は≪まだまだやれる≫、土浦日大は≪もっと点差があってもいいはずなのに≫という気持ちで、最終ピリオドに向かうことになった。
第4ピリオドは、重圧からか土浦日大のプレーがぎこちなく、シュートが決まらない。これに対し、第3ピリオド途中から、エース八村以外の選手が活躍し始め、伸び伸びとしたプレーで、逆転。その後も、得点を重ね、残り4分42秒で、明成64-57土浦日大と7点差をつける。
第4ピリオド、5分を経過しても、なんと土浦日大は無得点。ここに至るまで、タイムアウトを取らなかった土浦日大、第3ピリオドに続いて、疑問のベンチワークだった。逆転されたところで、タイムアウトを取るべきだった。
その後、土浦日大も立て直したが、流れを変えることができず、明成が78-73で勝利、3連覇を果たした。
明成は第3ピリオド途中まで、パスの回りやシュートタッチが悪く、八村が孤軍奮闘で何とか踏み止まっていたという状況。苦しい中、辛抱し、勝負どころで爆発した見事な優勝だった。
★その他、気がついた点
1.八村選手の気になるプレー
マークしているプレーヤーをかわして回り込むプレーの際、腕を相手の背中に回して巻き込むように相手を押しのけるプレーがあるが、八村選手の場合、巻き込むどころか、ひじを当てて押していた。ほぼ“肘打ち”といって良いプレーで、ハッキリ反則である。
私の認識は「巻き込むだけでも反則」なのだが、どうなのだろう?
とにかく、この“肘打ちまがい”のプレーをことごとく見逃していた審判にも、大きな疑問を感じた。
2.八村選手に対する土浦日大のベンチワーク
「八村選手の30得点は覚悟しており、他の選手を押さえ込んで勝つ」という方針で、中盤過ぎまでは、功を奏していたように思う。(この試合の八村選手は34得点、19リバウンド)
ただ、時折は、土浦日大のツインタワーでダブルチームを掛けて、八村選手にプレッシャーを与えても良かった。八村選手に気持ち良くプレーをさせてしまった。
3.実況、解説陣に不満
解説は長谷川健志氏、田臥勇太氏、実況は青嶋達也氏。
田臥氏は、3年連続高校3冠の偉業を為し、NBAでもプレーをし、全日本を引っ張っている名選手(現役)。
なので、高校時代の話や、バスケット全般における話が多くり、プレーそのものの実況がおざなりになってしまった。誰が得点したか?何点差がついたか?ゲームの流れはどちらにあるか?などを押さえずに、流れてしまうことが多かった。
どこをどうすべきか?とか、大きなキーポイントになったと思われるプレーも気づかずスルーと、観ていて、かなりフラストレーションを感じた。
4.高校バスケットボール事情に疎い川淵三郎氏
男子プロリーグの分裂によるゴタゴタで、統括団体の機能を果たしていないと国際連盟(FIBA)から無期限の加盟資格停止処分を受けた日本バスケットボール連盟。
その立て直しに起用された川淵氏。見事に再建を果たし、国際大会への参加が認められ、女子は五輪出場を決めた。
この試合のハーフタイム時に、この大会の印象を語っていたが、
「ビックリしました。こんなたくさんのお客さんが詰めかけているとは、夢にも思わなかった。こんな大会が日本にあったのかと言う印象ですよ。凄いですね、バスケットボール人気は。
(3年連続3冠に挑んでいる)桜花学園が勝つものと思って岐阜(岐阜女子)を一所懸命応援していたが、第4ピリオド、大逆転。
片っ方は名のある選手がいっぱい集まったチーム、片一方はあまり名のない選手が集まったチーム。それが、最後まであきらめず、勝利を勝ち取ったということで、感動しました。本当に素晴らしかった」
非常に率直な感想だった。今年の年頭に会長に就任したので、事情に疎いのは仕方がないが、「こんな大会が日本にあったのか」は拙いであろう。
岐阜女子を“はあまり名のない選手が集まったチーム”と評したのも失礼。
せめて、「岐阜女子はインターハイ、国体の決勝で、4点差、2点差と僅差の試合をしていた」ぐらいの情報を得て、観戦してほしかった。
そうなんです。土浦日大は、勝つことが十分可能な試合だったと思います。タイムアウトさえ、適切なタイミングで取っていれば。特に第4Qは酷かったと思います。なぜ逆転されて7点もリードされるまでタイムアウトを取らなかったのか。私は何度もタイムアウト!とTV画面に向かって叫んでいましたが、あの遅さは理解に苦しみました。
また、第3Q後半ぐらいから、明成の前に出るハーフコートゾーンが機能し始め、土浦は得意の3Pを封じられて、オフェンスが全く上手く行っていませんでした。ここも、なぜ対策をきちんと指示していなかったのか、大いに疑問でした。
最終スコアは78-73の5点差でしたが(英さんもう一度ヘッドラインをご確認ください)、オフェンスの修正を早めにしていれば、十分勝機はあったと思います。私はこの試合は土浦の驚異的な3Pとアウトサイド陣の華麗なプレーに魅了されて土浦を応援していたのですが、それだけに残念な思いが残りました。
もう少し書きたいので、一度切ります。
また、1の八村選手のプレーですが、JSPORTSの画面では、ある審判が試合途中でそのプレーの後で八村選手に注意を与えているところが映しだされていました。たぶん審判は気づいて注意をしたのだと思います。
2については、私はこんなものだろうと思いました。TVでも確かそんな論調で、八村選手はもっとやれたのではないか、という感じだったと思います。確か、前半の得点がかなり多くて、後半の得点は他のシューターが点を取ったこともあり、あまり伸びていなかったと記憶しています。
3については見ていないのでわからないのですが、番組構成の失敗という感じでしょうか。
4については、私も見ました。私も大胆なことを言うなあと思って聞いていました。会長ともあろう人が全くの素人発言でしたからね。ただ、あの川淵氏が言うと憎めないというか、しょうがないかな、と思ってしまう自分もいました。岐阜女子についても、配慮が欲しいところでしたね。ただの素人のおっさんの発言になってしまっていたのが残念なところです。しかし、川淵氏のインパクトはやはり強烈なものがあります。
今大会は、男女準々決勝ぐらいからは割としっかりと観戦していましたが、聖カタリナや能代工業の勝ち上がりもあり、とても面白い大会でした。またできればコメントします。これから夕食です。
最終スコアの間違いのご指摘、ありがとうございます。
冒頭の分を書く際、大会の正式名称があやふやだったので、どこかのスポーツ報道の記事を参考にしたのですが、まさか、スコアが間違っていたとは……
同意してくださり、ありがとうございます。
そうですよね、土浦日大がタイムアウトを取らなかったのは不可解極まりないです。
八村選手の“肘”のプレーについて、審判が注意をしていたのには、気づきませんでした。
「さすが!、審判」と言いたいところですが、ハッキリファールと思えるプレーを、少なくとも3回スルーしていたので、やはり、文句を言いたいジャッジでした。
川淵氏は実力のある方ですが、運を持っている方だと思いました。
バスケット連盟のゴタゴタの解決は、一定以上のレベルの方なら、氏でなくても可能だったように思いますが、氏のカリスマ性と、バスケット連盟や関係者などとのしがらみがなく、諸事情に詳しくないのでズバリ、モノが言える川淵氏は適任だったのかなと思います。
女子の決勝も、好試合でした。
馬瓜に対するファールの笛は、気の毒でした。
岐阜女子の控えの留学生の馬瓜選手へのディフェンスがかなりラフだったのに対し、思わず対抗しようとしたところをファールに取られました(2度)。桜花学園にとっては、これが痛かったです。
私も馬瓜選手の取られた4つ目のファールは、TV画面で見ると、逆ではなかったかと感じました。もう一つは気づきませんでした。しかし、あの4つ目のファールは試合に大きな影響を与えたと思います。
また、さらに私が指摘したかったことは、桜花学園のタイムアウトの遅さです。前半終了時点では、24-12と桜花学園が12点のリードをしていました。ところが、詳細な点数は覚えていませんが、流れが岐阜女子に傾き、点差が縮まっていっていたときにも、井上コーチはタイムアウトを取りませんでした。ようやく取ったときには、すでに手遅れというタイミングだったと思います。
戦術的には、桜花はオフェンスで前半からずっと4番の粟津のところがミスマッチで、必ずゴール下で得点できていました。ところが後半の勝負所で得点が止まったときには、ずっとこのミスマッチを利用していませんでした。遠藤と馬瓜に固執しすぎていたと思います。
最後に、ウインターカップのネットの記事やSNSでの記事をいろいろチェックしてみましたが、英さんのようにズバリと疑問采配や疑問判定に切り込んだものは一つも見つかりませんでした。今回は英さんの記事を読んでとても爽快な気持ちになりました。ありがとうございました。
最後に、今年もあとわずか。良い新年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。
ポジション争いで取られるファールは、審判の目に止まるタイミング…運の要素も大きいですね。
とにかく、馬瓜選手のファールトラブルは痛かったです。
点差の推移ですが、第2ピリオド残り2分49秒、24-9と15点差が最大点差です。その後、前半終了時は、エスカルゴさんのおっしゃるように、12点差。
第3ピリオドも、残り5分22秒では11点差(32-21)、その後は、9点差→7点→9点→8点→10点→8点→6点→9点と推移し、第3ピリオド終了時は39-37の7点差でした。
若干、岐阜女子が盛り返した感がありますが、試合の流れが変わった印象はありませんでした。
第4ピリオドは、桜花が先に点を取り、9点差と広げ、その後→7点→9点差(残り8分37秒)と桜花ペースだったと思います。
そこから、残り7分51秒で岐阜女子の伊藤選手の3Pが決まり43-37と6点差に詰まったときがタイムアウトのタイミングだったと思います。
さらに残り6分59秒で岐阜女の田中選手に3Pを決められ、43-40と3点差。ここでもタイムアウトを取らず、取ったのは残り4分5秒(47-44)。
一旦、1点差に詰め寄られた後、2点を入れ、さらに、岐阜女のシュートが外れた時だった。
おそらく、勝負どころの点が欲しい時に指示をして、確実に点を取りたいという考えなのでしょう。
でも、そんな局所的な考えより、試合の流れを踏まえたタイムアウトの方が価値が高いと思います。
あと、うまく機能し、効果的に得点していた粟津選手を活かさなかった点は、私も疑問に思います。
桜花が勝つべき試合でした。
>ウインターカップのネットの記事やSNSでの記事をいろいろチェックしてみましたが、英さんのようにズバリと疑問采配や疑問判定に切り込んだものは一つも見つかりませんでした。今回は英さんの記事を読んでとても爽快な気持ちになりました。ありがとうございました。
今年の最後に、非常にうれしい褒め言葉をいただき、気分よく、新年を迎えることができました。ありがとうございます。
2016年も、よろしくお願いします。